2008年8月25日(月)14時開演 ル テアトル銀座(東京メトロ銀座線京橋駅徒歩2~3分、有楽町線銀座一丁目駅徒歩2~3分) 朝日新聞プレゼント企画に当選したもの。
「甦る、情熱!」 演出・美術原案 市川猿之助
二十一世紀歌舞伎組は、将来に伝えるべき歌舞伎の姿を模索するため、1988年9月に市川猿之助一門若手公演として、渋谷パルコ劇場にて「伊吹山のヤマトタケル」が上演されました。・・・・・何かこの公演にネーミングが欲しいとのこと、「二十一世紀歌舞伎組」と命名いたしました。・・・・・この劇団名の由来については、ご存知の方と新演出古典を両輪の輪として上演し、今日に至っています。
この間彼らは、今まで与えられたことのない大役を悩みながら演じて来たことと思いますが、まだまだ道程は長く努力を続けて欲しいと思っています。・・・・・
おかげさまで、私の長期療養の間も、一丸となり多くのお客様に支えて頂きながら彼らは成長して来ました。
そしてこの度、二十一世紀歌舞伎組のために新しい作品を作ろうと、『新・水滸伝』が生まれました。
『新・水滸伝』は、元中国京劇院院長・呂瑞明(ろずいめい)先生からも、猿之助にぴったりの作品だと薦められ、私も大変興味を持っておりました。ただ、なかなか難解な作品であり、上演は難しいと思っていたところ、二十一世紀歌舞伎組の公演が持ち上がり、候補作品は色々ありましたが、私の思いを通させて頂き、横内さんに『新・水滸伝』として脚本をお願いしました。・・・・・
最後になりましたが、自ら出演を買って出て下さった金田龍之介さん、この「二十一世紀歌舞伎組」を共に支え、温かく見守って下さっているスタッフの皆様、松竹株式会社をはじめ演劇関係者の皆様、そして「二十一世紀歌舞伎組」の誕生より支え続けて下さっている株式会社パルコの皆様に心より感謝し、厚く御礼申し上げます。
《主なキャスト》
林冲(りんちゅう):市川右近 青華(せいか)(扈三娘 こさんじょう):市川笑也 王英(おうえい):市川猿弥(えんや) 姫虎(ひめとら):顧大嫂(こだおそう):市川笑三郎 お夜叉(おやしゃ)(孫二娘 そんじじょう):市川春猿(しゅんえん) 彭箕(ほうき):市川弘太郎 晁蓋(ちょうがい):金田龍之介(友情出演) 宋江(そうこう):市川猿三郎 高休(こうきゅう):市川欣弥 祝彪(しゅくひょう):市川猿四郎 ほか
(注)キャストの役名で、どうしても漢字が出ないものがあり(手書き文字でも出ない)、うそ字が幾つかあります。ご了承下さい。
《主なスタッフ・プランナー》
音楽:加藤和彦 美術監修:朝倉 摂 衣装監修:毛利臣男(しげお) 装置:金井勇一郎 照明:成瀬一裕 音響:本間 明 特殊美術:田中義彦 舞台監督:岡 嘉洋(よしひろ) ほか
《あらすじ》
夕暮れ、湖に浮かぶ梁山泊の砦を眺めながら、姫虎とお夜叉が今夜の戦に思いを巡らせている。梁山泊の頭・晁蓋の命により友好関係を保っていた独龍岡(どくりゅうこう)の町が、新たに長老の跡取りとなった祝彪により奇襲を仕掛けて来ようとしているのだ。情報をを事前に知った姫虎や王英らは戦いの準備に余念がない。指揮を執るのは一党の副官的存在・宋江。今一人、かつては朝廷で軍の教官まで務めながら身を落とし、梁山泊に身を寄せる林冲も戦力として期待されていたが、いつもの如く酔いつぶれている始末。
独龍岡では祝彪と朝廷の高官・高休、張進らが密談していた。今夜の戦は町からの奇襲ではなく、朝廷軍の一個師団も交えた梁山泊討伐だったのだ。
背面に回られ窮地に陥る梁山泊だが、獅子奮迅の戦いぶりで退路を拓き、何とか砦まで全員で戻ることが出来る。朝廷が乗り出して来たことで、梁山泊の今後に不安を募らせる宋江たち。晁蓋は鷹揚に構えているが、悪党の吹き溜まりでしかない今の梁山泊から変わらねば破滅と、姫虎は林冲に梁山泊を守るための戦術指導を願い出る。が「悪党のくせに絆だの仲間だのと白々しい」と一笑に付されてしまう。
一方、先の戦で男顔負けに戦う祝彪の許嫁・青華に、王英は一目惚れしてしまう。お夜叉は敵につけ込む一手になるかと、王英の恋の手助けを約束。だが、思いを遂げるどころか逆に青華に捕縛され、祝彪は好機とばかりに、二人の身柄と林冲の交際を申し出る。
人質交換の約束は守られず、林冲と王英、お夜叉は揃って牢に繋がれてしまう。しかも高休は、林冲に皇帝への叛乱の冤罪をなすりつけた張本人で、目障りなその存在を梁山泊もろとも踏み潰そうとしていた。
敵の卑劣なやり口と、仲間を奪われたことへの怒りから、バラバラだった梁山泊は心をひとつになり三人の救出に向かう。同じ頃、人質解放の約束を違えた祝彪を許せない青華は、牢から密かに王英らを逃がそうとする。
時を同じく独龍岡に攻め込む梁山泊の面々。悪党の喧嘩狼藉ではなく、梁山泊という場所と、信じ合える仲間のため戦う彼らを止められる敵はおらず、瞬く間に敵陣を落とし、高休を追い詰める。高休を討てと林冲に言う梁山泊の面々。高休は「ワシを見逃してくれたら、皇帝に『梁山泊討伐は無用』と進言する」と命乞いし、今は仲間と思い定めた梁山泊のため、林冲は高休を解放するのだった。
戦いを終えた梁山泊では、宋江や姫虎が、林冲を大将とする新たな組織作りを考えていた。王英ら救出の際に傷を負った青華も、新たな仲間に、と。
だが体の傷は癒えても、心に負った深い傷が林冲と青華に梁山泊側の申し出を拒ませる。それでも信を尽くす王英と、梁山泊の仲間たちの熱い想いが青華と林冲、それぞれに新たな道を歩み出す力を取り戻させるのだった。
その歩みの先には「替天行道」(たいてんぎょうどう)の旗が高く翻っていた。
『水滸伝』とは?
『三国志演義』、『西遊記』、『金瓶梅』と並ぶ中国四大奇書(稀に見る優れた書物の意味)のひとつ。中国の明の時代(1368~1644)に、施耐庵(したいあん)や羅貫中(らかんちゅう)ら作家により、それまで講談として語られてきた、北宋の徽宗(きそう)期(12世紀初期。徽宗は当時の皇帝)に起こった反乱を題材とする物語を集め、制作したとされている。
徽宗は大変な道楽者で、自身の遊興のために庶民に重税を課し、部下の役人たちも私利私欲を肥やすことに執心するばかり。そんな腐敗した朝廷に反旗を翻す108人の「義の人々、元は山賊など悪党ながら、正道を求める英雄好漢の活躍を描いた活劇小説が『水滸伝』だ。
舞台の中心となる「梁山泊」は、現在の山東省にある湖沼地帯にあったとされる。嵐などで黄河が氾濫すると出来る巨大な水溜まりで、中央にある小島を根城にした“守りやすく攻めにくい”自然の要塞。しかも琵琶湖より大きい南北150㎞、東西50㎞という広大さを誇る。
《印象 感想》
私は本物の歌舞伎を、ナマで観たことはありません。新聞のプレゼント企画にせっせとハガキを出すと、時に当たり、観ることができます。(ハガキを書くことは、漢字の練習を兼ねると考えながら、用字用語辞典を見ながら書くのもまた楽しい)。
今回の演劇は、明日を担う若手歌舞伎俳優の出演ということで、たくさんの観客が入り、予約した方のサイン会も盛況のようでした。
劇は、舞台にさらに舞台を作ったような、いわば二階建てのような舞台で、二階部分には左右に梯子が設けられて、上り下りするというステージで演じられました。中国のお芝居ということで、パンフレットを見ながら観劇。出演者も多く(たぶん20人はいたと思う)、壮大なスペクタクルという様相。お芝居を堪能出来ました。
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