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2009年7月

2009年7月28日 (火)

演奏会に行ってきました「2009都民芸術フェスティバル助成公演 日本フィルハーモニー交響楽団 ブラームス・プログラム :大学祝典序曲、ヴァイオリン協奏曲、交響曲第4番」(2009-15)

2009年3月12日(木)7:00pm開演 (JR池袋駅徒歩5分)日本演奏連盟よりオーケストラ公演一括購入 私の席A席Q列18番通し券 満席

《プログラム》

~ブラームス・プログラム~

大学祝典序曲 作品80

ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77

交響曲第4番 ホ短調 作品98

指揮:梅田俊明  ヴァイオリン:竹澤恭子  コンサートマスター:木野雅之

《印象 感想など》

大学祝典序曲 作品80

 この曲を聴くと、どうしてもラジオの「大学受験講座」を思い出す。厚みのあるアンサンブル、テーマでグッとくる。次々とドイツの学生歌のメロディーが出てくる。青春賛歌。大太鼓やトライアングルなどが出てきて、よく流れ歌う演奏。コーダ、大いに盛り上がる。

《プログラムノーツ》  道下京子

 ヨハネス・ブラームス(1833~1897)が作曲した序曲は2曲である。1つは、1879年にプレスラウ大学から名誉博士号を授与されたことへの返礼として、1880年に作曲された《大学祝典序曲》である。もう1つは、厳粛な雰囲気の《悲劇的序曲》である。ほぼ同時期に作曲されたこの2曲は、交響曲の作曲経験を土台として、様々な作曲経験も見られる。

 1880年夏、ブラームスは、オーストリアの避暑地バート・イシュルに初めて滞在し、名誉博士号授与への返礼のための作品の創作に着手した。作曲は速いスピードで行われ、8月に着手、9月に完成を見た。初演が行われたのが授与式の折で、1881年1月4日、ブラームスの指揮により、ブレスラウで行われた。この作曲に当たり、ブラームスは、学生生活を作品に取り入れることを構想し、《ドイツ学生のための酒宴歌曲集》に収められた学生歌4曲(「我らは立派な校舎を建てた」「領邦君主」「新入生の歌:」「喜びの歌」の旋律を、作品に織り込んだ。まず、第63小節からトランペットによって「我らが立派な校舎を建てた」の旋律が厳かに演奏される。第129小節には「領邦君主」の旋律が現れてヴァイオリンが奏でる。続いて、第157小節からの「新入生の歌」の旋律は、ファゴットによって軽快に開始する。最後に「喜びの歌」の旋律が第379小節から示されて、音楽は壮麗な雰囲気に包まれて結ばれる。

 《大学祝典序曲》は、オーケストレーションの実験の場でもあった。特に、多彩な打楽器の使用は注目される。この作品には、ティンパニーをはじめ、大太鼓、トライアングル、シンバルなどの打楽器が用いられている。ブラームスが、トライアングルを管弦楽曲に使用したのは、この作品が初めてであり、後に作曲された《交響曲》第4番におけるトライアングルの使用に、少なからず影響を与えている。

ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77

《印象 感想など》

 竹澤 黒っぽいシックなドレスで登場。 第1楽章 ブラームスらしい出だし。ヴァイオリンはきりりと引きしまった美音。よく歌い、鳴り響く。梅田は快調に付ける。ヴァイオリンは艶のある張りのある音。カデンツアが素敵。  第2楽章 オーボエが有名なテーマ。いつ聴いても素晴らしいメロディー。ヴァイオリンが艶やかなメロディーで続く。  第3楽章 勢いのある出だし。ヴァイオリンが抜群のテクニックで続く。やはり竹澤は凄い演奏。ソロヴァイオリン、伴奏とも一体となって熱っぽい演奏。コーダ追い込み、雪崩れ込む。何とも凄い演奏。盛大な拍手。ブラヴォーの連呼。

《プログラムノーツ》 道下京子 

 (大学祝典序曲)完成の2年前(1878年)、ブラームスは(ヴァイオリン協奏曲)を作曲する。この前には、(交響曲)第1番と第2番を相次いで完成させている。交響曲作曲家としての地位を確立した時期でもあり、ブラームスは、創作における円熟した時期を迎えていた。(ヴァイオリン協奏曲曲)は、初期の初期の破棄された作品を除くと、彼にとっての初めてのヴァイオリン作品であった。ブラームスの創作にに対する慎重すぎる姿勢と、新しいヴァイオリン協奏曲に対する書法のさらなる模索によって、この作品に対する創作は遅々として進まなかった。創作に対しては、友人のヴァイオリン奏者ヨアヒムと幾度となく意見を交わし、ブラームスはスケッチを送り、ヨアヒムに意見を求めた。残された自筆譜の中にも、特にヴァイオリン・パートには、ヨアヒムの細かな添削が施されており、ヴァイオリンの表現に慣れていないブラームスが、ヨアヒムから具体的な助言を求めていたことがわかる。ヨアヒムは、1879年の元旦、作曲者自身の指揮とヨアヒムの独奏、そしてゲヴァントハウス管弦楽団とともに初演は行われた。

 第1楽章 アレグロ・ノン・トロッポ ニ長調 4分の3拍子。ソナタ形式に則って書かれており、伝統的なオーケストラの前奏に続いて、ヴィオラとチェロ、ファゴットは第1主題を曲の冒頭に穏やかに示す。

 第2楽章 アダージョ ヘ長調 4分の2拍子。最初に、管楽器が柔らかく歌い上げて、そこからオーボエは、牧歌的な旋律をくっきりと浮かび上がらせる。その旋律をヴァイオリンが引き継いで鮮やかに彩る。3部形式で書かれており、中間部はヴァイオリニストの腕の試される場面である。また特に主部では、転調が巧に用いられており、豊かなハーモニーを生み出している。

 第3章 アレグロ・ジョコーソ・マ・ノン・トロッポ・ヴィヴァーチェ ニ長調 4分の2拍子。ヴァイオリン独奏によるジプシー風の主題を持つ。独奏と総奏(トゥッティ)が繰り返された後、独奏ヴァイオリンによる第1副主題による、8度音程で長音階をエネルギッシュに駆け上がってゆく。第2副主題は4分の3拍子へと転じて、優美な優美な雰囲気を漂わせる。コーダの3連符は、主題に由来しており、この楽章に藤一感を与えている。

交響曲第4番 ホ短調 作品98

《印象 感想など》

第1楽章 むせび泣くような出だし。人生の秋を感じさせるブラームスの傑作ですね。少し哀しみが足りないか。ワルターみたいにはいかない。弦楽器を中心とした厚みのあるアンサンブルはとっても良い。ティンパニーが印象的。コーダ追い込み、大変見事な演奏。  第2楽章 ホルン、木管が有名なテーマを奏する。弦のピチカート、めためた泣き濡れるテーマ。  第3楽章 いきなり、弾むようなテーマ。トライアングルが効果的。スケルツオ的アンサンブル。短調の響きで進む。  第4楽章 壮大なパッサカリア。弦楽器のピチカート。全合奏が厚く深く響く。フルート、トロンボーンが活躍。コーダに向かって突っ走り、弾みをつけて、盛り上がる。壮大なフィナーレ。大変な演奏。万雷の拍手、ブラヴォー。

《プログラムノーツ》 道下京子

 ブラームスは、4つの交響曲を完成させている。(交響曲)第4番は、ミュールツーシュラークで創作された。この場所は、ウイーンの郊外の山間部に位置する静かな避暑地として知られている。この頃のブラームスは、演奏活動に多忙を極めており、ヨーロッパ中を旅していた。日常の都会の喧噪から逃れるように、新たな創作の地としてミリュツーシュラークを選んだのである。1884年夏に第1楽章と第2楽章を、第3楽章と第4楽章を85年夏に書き上げ、同年中にマイニンゲンでブラームス自らが指揮棒をとって初演した。ブラームスの後期の作品様式が、色濃く示された作品である。

第1楽章 アレグロ・ノン・トロッポ ホ短調 2分の2拍子。第1主題はヴァイオリンが提示する。この主題は、3度づつ下降する動機(シ・ソ・ミ・ド・ラ・#ファ・#レ・シ・・・)で構成されている。これは、ブラームスの後期の様式の特徴であり、彷徨うような不安定感を誘う。第2主題はロ短調で示され、木管楽器がスタッカートで鋭く刻み込む。ソナタ形式で書かれており、長いコーダでは、第1主題を低音部に登場させた後、高音の楽器によって徐々に模倣させて、オーケストラの全奏で力強く終結する。

第2楽章 アンダンテ・モデラート ホ短調 8分の6拍子。序奏では、ホルンと木管楽器によってフリギア旋法による旋律を奏でる。主部でも、第1主題にフリギア旋法が用いられており、これをクラリネットとピチカート奏法のヴァイオリンが受け持つ。その後、3連符による鋭いスタカートが現れる。これは、後に続くチェロによる第2主題を暗示している。この楽章は、展開部を持たないソナタ形式で書かれており、経過句を経て、直ぐに再現部が現れる。

第3楽章 アレグロ・ジョコーソ ハ長調 4分の2拍子。この楽章も、ソナタ形式に則っており、オーケストラによる劇的な前奏の中に、第1主題は示されている。第2主題は、ト長調で大らかに歌いあげられる。2つの対照的な主題が印象的である。

第4楽章 アレグロ・エネルジーコ・エ・パッソナート ホ短調 4分の3拍子。バッハのカンターカから主題を採り、バロック時代に行われていたパッサカリアの手法が採り入れられている。ブラームスの全交響曲中、変奏曲の形式で書かれているのは、第4番のこの楽章だけである。主題は、冒頭の8小節の句であり、フルートとオ-ボエ、そしてトロンボーンが力強く演奏する。その後、この主題は形を変えて30回示される。圧倒的な迫力に満ちたフィナーレである。

アンコール ハンガリアン・ダンス 21番

 珍しい曲。快演。

《プロフィール》

指揮:梅田俊明

 東京に生まれる。5歳よりピアノを始め、井上直幸、新井精氏等に学ぶ。1984年桐朋学園大楽音楽学部を卒業。1986年同研究科を修了。指揮を小澤征爾、秋山和慶、尾高忠明、コントラバスを小野崎充、ピアノと室内楽を三善晃の各氏に師事する。

 1983年、84年には来日中のジャン・フルネ氏に学んだ。また在学中よりNHK交響楽団においてピアノ、チェレスタ奏者として出演し、同楽団の推薦で1986年よりウイーン国立音楽大学指揮科に留学、オトマール・スイトナー氏に師事し、研鑽を積んだ。帰国後、1989年12月より92年4月まで大阪センチュリー交響楽団指揮者を務めた。1990年より仙台フィルハーモニー管弦楽団の指揮者に就任。オーケストラの発展に情熱を注ぎ込み、2006年3月までその任を務めた。・・・・・

 2006年には大ブームとなったドラマ「のだめカンタービレ」に指揮者及び演奏で参加し注目を集めた他、レコーディングにも参加。国内だけでなく、1996年1月には南西ドイツ・フィルハーモニーとスロバキア・フィルハーモニーの定期演奏会に出演、いずれも好評を博した。・・・・・桐朋学園大学非常勤講師。

ヴァイオリン:竹澤恭子

 3歳よりヴァイオリンを始め、山村品一、小林健次両氏に師事。6歳より才能教育研究会海外派遣団の一員として海外ツアーを行う。桐朋女子音楽科在学中に第51回日本音楽コンクール第1位、併せてレウカディア賞、黒柳賞を受賞。1985年にジュリアード音楽院に留学し、ドロシー・ディレイ、川崎雅夫両氏に師事した。

 1986年第2回インディアナポリス国際ヴァイオリン・コンクールで圧倒的な優勝を飾る。以来、“世界のKYOKO TKEZWA”として国際的なスターダムを昇り続けている。・・・・・

 1993年第3回出光賞受賞。使用楽器は、日本音楽財団より貸与された1710年製作のアントニオ・ストラデヴァリウス“カンポセリーチェ”(Canposelice)

日本フィルハーモニー交響楽団

 日本フィルは“市民とともに歩むオーケストラ”としてあその歴史を刻み、2006年には創立50周年を迎えた。2008年9月よりロシアの名匠アレクサンドル・ラザレフを主席指揮者に迎え、「プロコフィエフ交響曲全曲演奏プロジェクト」等の企画を通じて、より一層の演奏水準の充実を目指し音楽活動に邁進している。

 1956年創立。楽団創設の中心となった渡邉暁雄が初代常任指揮者に就任。幅広いレパートリーと斬新な演奏スタイルで、当時の楽団に新風を吹きこんだ。その後イゴール・マルケヴィチ、シャルル・ミュンシュなど世界的指揮者が相次いで客演、1964年にはアメリカ、カナダ公演で大成功を収め、創立から10年足らずの間に飛躍的な発展を遂げた。・・・・・

《レコードやCDのことなど》

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲

 レコードやCDは自分の気に入ったものを聴いていればいいわけですが、私はヤッシャ・ハイフェッツ(Vn),フリッツ・ライナー指揮シカゴ交響楽団のLPレコードをよく聴いてきました。今はプレミアムCDが出ています。

ブラームス:交響曲第4番

 私は、ブルーノ・ワルター指揮コロンビア交響楽団、カール・シューリヒト指揮バイエルン放送交響楽団、オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団のLPレコードをよく聴いてきました。

 

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2009年7月22日 (水)

演奏会に行ってきました「2009都民芸術フェスティバル助成公演 東京交響楽団 モーツァルト:交響曲第9番、ピアノ協奏曲第26番「戴冠式」、ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」(2009-14)

2009年3月4日(水)7:00pm開演(JR池袋駅徒歩5分)東京芸術劇場大ホール

《プログラム》

モーツァルト:交響曲第9番 ハ長調 K.73

モーツァルト:ピアノ協奏曲第26番 K.537「戴冠式」

ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調 作品55「英雄」

指揮:飯森典親  ピアノ:今野尚美  東京交響楽団  コンサートマスター:高木和弘

モーツァルト:交響曲第9番 ハ長調 K.73

Ⅰ アレグロ  Ⅱ アンダンテ  Ⅲ メヌエット  Ⅳ モルト アレグロ

 遅れて聴けず。

モーツァルト:ピアノ協奏曲第26番 ニ長調 K.537「戴冠式」

Ⅰ アレグロ  Ⅱ ラルゲット  Ⅲ アレグレット

 ピアノ スタインウエイ。コントラバス 3人。中央 奥。若い、コンサートマスター。ソリストは白っぽい明るいステージ衣装。

 第1楽章 伴奏のアンサンブルがとても良い。ピアノはスッキリとした音色でよく歌い、玉を転がすように流れる。  第2楽章 弱音が奇麗に聴こえる。優しい素敵なメロディー。  第3楽章 少しテンポを速めて、音楽がよく流れ、転がすように快調に進む。快演。万雷の拍手。ブラヴォー。

《プログラムノーツ》 寺西基之

 モーツァルトは20代の半ばまで故郷ザルツブルクの大司教の宮廷音楽家の地位にあったが、自由な活動が許されない宮仕えに嫌気がさすようになり、1781年、大司教と衝突したことを機にウイーンに移住した。

 ウイーンでの特定のポストが特に決まっていたわけではない。協会や宮廷に仕えることで音楽家としての身分が保障されていた当時、職のないままフリーの音楽活動に乗り出したことはいわば大胆な冒険といえるものだったが、モーツァルトはまずピアニストとしての活動によってウイーンでの名声を確立する。とりわけ彼自身の主催する演奏会での自作自演のピアノ協奏曲は大きな人気を博し、彼に大きな収入をもたらすことになった。ウイーン時代のモーツァルトが多数のピアノ協奏曲を書いた背景にはそうした事情があり、ピアノ協奏曲によって彼はウイーンの聴衆の心を捉えたのである。

 しかし1780年代後半になると、ウイーンの政情や社会不安に加えて、モーツァルト自身が聴衆の好みよりも芸術な深まりを求めるようなこともあって、聴衆のモーツァルト熱も急速に冷めていく。以前のように演奏会を開けば収入が得られる状況でなくなり、モーツァルトは経済的な苦境に陥ってしまうのだ(実際は別の収入がかなりあったのだが、彼の消費癖が困窮をもたらしたと言われる)。そうした状況の中、1788年に窮地を打開するための演奏会を開く目的で作曲されたのが、本日演奏される協奏曲ニ長調K.537だった。結局その時は演奏会を開くことすらできず、翌1789年にウイーンでなくドレスデンで行われたのが初演と考えられている。

 この作品が「戴冠式」と呼ばれているのは、1790年フランクフルトで行われたレオポルト2世の戴冠式の祝賀会において演奏されたからである。たしかに祝典に相応しい華麗さと明快さを持った作品だが、最初から戴冠式を目当てに書かれたわけでないことは、上述した作曲経緯からも明らかだ。人気の凋落したモーツァルトが聴衆の親しみやすい華麗な作風を意図したという見方もあるが、生き生きとした運びの中に鋭い才気が息づいた作風にはやはり後期の作らしい円熟した筆遣いが感じられる。なお自筆譜は、第2楽章の左手パートが書かれていなかったりなど不完全な部分が多いが、そうした部分は初版出版の際に他人の手で補完された。

第1楽章(アレグロ、ニ長調)は、行進曲風の主題に始まる華やかな協奏的ソナタ形式。独奏の鮮やかなパッセージが効果的に用いられている。

第2楽章([ラルゲット]、イ長調)は簡素な主題による愛らしい楽章。

第3楽章([アレグレット]、ニ長調)は軽妙な主題を持った愉悦に満ちたフィナーレである。

ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調 作品55「英雄」

《印象 感想など》

 第1楽章 コントラバス6人になる。ジャン、ジャンという有名な出だし。アンサンブルはとても良い。音楽は、テキパキと快調に流れる。若々しい「エロイカ」。コントラバスのピチカート、気持ちよく響く。  第2楽章 葬送行進曲。有名なテーマ。重くなりすぎず、流れる。オーボエ、テーマを歌う。弦楽合奏、テーマを重々しく。  第3楽章 スケルツォ。弦楽器のの刻みで入る。全合奏へ。テンポよく進む。ホルン、有名なテーマを吹く。次第にテンポを上げる。4楽章へ。  第4楽章 短い序奏を経て「プロメテウスの創造物」にお有名なテーマへ。マーチ風に。オーボエが鳴る。合奏が重厚に響く。テンポを上げてコーダへ。飯森の指揮は、若々しい。快演。ブラヴォー。

《プログラムノーツ》 寺西基之

 初期には18世紀のいわゆる古典派様式から出発したルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770~1827)だが、進取の気性に富み、新しい時代の精神を感じ取っていた彼は、早くから18世紀の様式を超える音楽を求めていった。そして中期に至って、従来の形式を拡大したスケールの大きな劇的スタイルを確立する。そうした中期のダイナミックなスタイルの始まりを宣言するような作品が、1804年に完成されたこの交響曲第3番である。

 演奏の面でも内容の面でも、当時の交響曲としては破格のスケールを持ったこの作品の革新性が、ヨーロッパ革命期の精神と結びついていることは、これがもともとナポレオンに献呈するために書かれたという作曲動機からも明らかといえよう。結局は彼の期待を裏切ってナポレオンが皇帝という権力の座についたことで、ベートーヴェンは献呈をとりやめてしまうことになるのだが、まさに革命期最大の英雄との関わりのうちに、音楽史上エポックメイキングといえるこの作品が生まれたわけで、ベートーヴェンの創作活動がいかに当時の時代精神、時代思想に結びついていたかが窺える。私的な初演は1804年に彼のパトロンのロプコヴィツ候の邸宅でなされ、公の初演は1805年4月7日ウイーンで行われた。

 第1楽章(アレグロ・コン・ブリオ、変ホ長調)は決然とした2つの主和音に始まる壮大かつドラマティックなソナタ形式で、2つの主題のほか多様な楽想が様々に展開される。コーダも第2展開部といえるような充実ぶりを示している。

 第2楽章(葬送行進曲、アダージョ・アッサイ、ハ短調)は英雄を悼む“葬送行進曲”。フランス革命期には英雄のために葬送行進曲がよく書かれたが、このベートーヴェンの手による行進曲はそうした当時のスタイルを用いつつも、きわめて悲劇的な性格を持った深い内容の緩徐楽章に仕上げられている。

 第3楽章(スケルツォ、アレグロ・ヴィヴァーチェ、変ホ長調)は急速なせわしい動きを持ったスケルツォ。トリオでの新時代を告げるようなホルンの響きが印象的だ。

 第4楽章(フィナーレ、アレグロ・モルト、変ホ長調)は自由な変奏技法を用いたフィナーレで、主題は自作のバレエ音楽「プロメテウスの創造物」の終曲を用いている。このバレエは、粘土から人間を造って理性と感情を与えたプロメテウスの物語を題材としたもので、その主題を用いたということは、この交響曲が人間性のめざめという新しい時代精神の表現を意図したものであるということを示唆しているとも解釈できよう。ベートーヴェンがこの主題を重視していたことは、この交響曲に先立って、ピアノのための変奏曲をこの主題によった書いていることにも窺える。

 

アンコール モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲

 オケは人数を抑えて少なめ。弦はビブラート無し。コントラバス4人で第1ヴァイオリンは後ろ、1プルと外す。とても軽快な演奏。

《プロフィール》

指揮:飯森典親

 1986年、桐朋学園指揮科卒業後、ベルリンへ留学。1989年からバイエルン国立歌劇場でW.サヴァリッシュ氏のもと研鑽を積む。1994年東京交響楽団の専属指揮者に就任し、同楽団のポルトガル演奏旅行で成功をおさめた。続く1996年には東京交響楽団創立50周年記念ヨーロッパツアーを指揮、特にミュンヘン公演は南ドイツ新聞で「今後、イイモリの名が世界で注目されるであろう」と絶賛された。・・・・・

 1995年~2002年3月、広島交響楽団正指揮者、2003年、NHK交響楽団定期演奏会(マーラー:交響曲第1番)は、年間ベスト10コンサートに選出された。2004年シーズンより山形交響楽団の常任指揮者に就任し、次々と新機軸を打ち出してオーケストラの活動発展と水準の向上に目覚ましい成果を挙げている。大きな注目が集まる中、2007年より音楽監督に就任した。・・・・・

 2001年よりドイツ・ヴェルテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団の音楽総監督に就任、日本人指揮者とドイツのオーケストラの組み合わせとしては史上初の快挙となる「ベートーヴェン:交響曲全曲」のCDをリリース。・・・・・

 現在、山形交響楽団音楽監督、東京交響楽団正指揮者、いずみシンフォニエッタ大阪常任指揮者、ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団名誉指揮者、ヴェルテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団主席客演指揮者。

ピアノ:今野尚美

 4歳よりヤマハ音楽教室でピアノと作曲を学び、中学、高校生の頃自作のピアノ協奏曲を国内外のオーケストラと共演。18歳より英国王立音楽院に留学。ピアノをアレクサンダー・ケリー、ヘオミッシュ・ミルンに、室内楽をマイケル・デュセック、ジェフリー・プラットリー、ジョゼフ・サイガーの各氏に師事。

 主席卒業後、同大学院に進み、ディプロマを得て卒業。在学中より数々の学内コンクールに優勝および入賞。1991年イタリア・シエナ・コジアナ音楽院夏期セミナー室内楽部門でディプロマ名誉賞受賞。1992年イタリア・パロマロード・国際室内楽コンクールで最高位並びに新曲優秀賞を受賞。・・・・・

東京交響楽団

 1946年に東宝交響楽団の名で創立。1951年東京交響楽団と改称して今日に至る。

 1988年(株)すかいらーくからの支援が約束され、以来それを基盤として大作に取り組んでいる。株式会社すかいらーくは、当楽団への援助が評価され、1992年メセナ大賞を受賞した。

 歴代の指揮者には、近衛秀麻、上田仁などがおり、1964年より秋山和慶が長きにわたり音楽監督・常任指揮者を務めた。現在は音楽監督にユベール・スダーン、桂冠指揮者に秋山和慶、常任指揮者に大友直人、正指揮者に飯森典親を擁する。・・・・・

《レコードやCDのことなど》

モーツアルト:ピアノ協奏曲第26番「戴冠式」

 レコードやCDは自分の気に入ったものを聴いていればいいわけですが、モーツァルトのピアノ協奏曲26番「戴冠式」は、私はフリードリッヒ・グルダ(ピアノ)、アーノンクール指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団、カサドシュ(ピアノ)、セル指揮コロンビア交響楽団、内田光子(ピアノ)、ジェフリー・テイト指揮イギリス室内管弦楽団のCDをよく聴いてきました。

ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」

 私はブルーノ・ワルター指揮シンフォニー・オブ・ジ・エアー(アルトゥーロ・トスカニーニ追悼演奏会実況録音~1957年2月3日)のモノーラル録音、ヨゼフ・カイルベルト指揮ハンブルク国立フィルハーモニ管弦楽団(1975年発売)のLPレコードをよく聴いてきました。

 フルトヴェングラー指揮ウイーンフィル(1952年録音)のCDも評判がいいようです

  

          

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2009年7月19日 (日)

ハイドンプロジェクト ブリュッヘッン+新日本フィルハーモニー交響楽団 ロンドン・セット全曲演奏会第4回 交響曲第102番、交響曲第103番「太鼓連打」、交響曲第104番「ロンドン」(2009-13)

すみだトリフォニーホール(東京メトロ錦糸町駅徒歩7~8分、JR錦糸町駅徒歩5分)

《プログラム》

ハイドン:交響曲第102番 変ロ長調

      交響曲第103番 変ホ長調「太鼓連打」 

      交響曲第104番 ニ長調「ロンドン」

指揮:フランス・ブリュッヘン  新日本フィルハーモニー交響楽団  コンサートマスター:豊嶋泰嗣

《印象 感想》

ハイドン:交響曲第102番 変ロ長調 Hob.Ⅰ-102

私の席 25列33番 出足好調、満席。コントラバス 3人、左奥。ブリュッヘンは椅子に座って指揮。

第1楽章 弦の奇麗な序奏で始まる。その後、少しテンポを上げて合奏へ。フルートが繋ぐ。弦を中心とした活き活きとした合奏。ティンパニーが小気味よい響き。  第2楽章 渋みのある音楽。  第3楽章 リズミックな楽章。木管のトリオが素敵き。  第4楽章 気持ちの良い合奏。軽やかなコーダで締めくくる。

《曲目解説》  那須田 努

 第2回ロンドン旅行の2年目の最初のコンサート、即ち1795年2月2日の第1回「オペラコンサート」で初演された。96番の「奇蹟」の由来となった事件はこの曲とも言われている。(96番の項を参照)。

 第1楽章はラルゴの序奏とヴィヴァーチェの主部からなる。序奏はトゥッティによる主音のユニゾン(デゥナーミクは〈 〉で緩やかに開始され、弦楽のフレーズに続いて再び主音のユニゾンとなり、再び先ほどの弦楽の旋律が現れて属音上に半休止する。続く主部はソナタ形式。第1主題は明るくて快活なもの。第2主題は前半がニ短調、後半はト短調の2つの楽句からなるミノーレのミステリアスな性格を持つ。展開部で2つの主題や経過的な動機の対位法的な展開を経て再現部となる。

 第2楽章はアダージョ、ヘ長調。三部形式。主題は装飾音と付点音符、三連符からなる優美な性格のもので、独奏チェロのオブリガートが特徴的。複雑でデリケートな転調が楽章全体に得も言われぬ陰影を与えている。

交響曲第103番 変ホ長調「太鼓連打」 Hob.103

《印象 感想など》

第1楽章 ティンパニーの連打で始まる。弦、ファゴットの低音が続く。中、高弦がきれいなメロディーを奏する。そして快活な第1テーマが続く。そして第2テーマが気持ちよく突き進む。よく歌って流れる。コントラバス、チェロが下支え。ティンパニーが響く。  第2楽章 短調の響き。でも重くならず流れる。ヴァイオリンがソロで、素敵なメロディーを奏す。そして分厚いアンサンブルが続く。  第3楽章 ティンパニーを伴った小気味よいテーマ。木管によるトリオ。  第4楽章 ホルンによる出だし。弦が細かくテーマを弾く。合奏が続く。テンポを上げてコーダへ。非常に充実した演奏。

 第3楽章メヌエット、アレグロ。元気のよいメヌエットに対してトリオは柔らかな情緒を持った歌謡的なレントラー。

 フィナーレ楽章プレストは2つの主題を持つロンド・ソナタ形式。

[フルート2,オーボエ2,ファゴット2,ホルン2,トランペット2,ティンパニー、弦楽5部]

《曲目解説》  那須田 努

 1795年3月2日のオペラ・コンサートで初演された。「太鼓連打」のニックネームは、第1楽章序奏がティンパニーのトレモロで開始されることから。後述するようにオーストリアのチロル地方やその周辺の民族音楽の色彩の濃い作品である。

 第1楽章の序奏にはティンパニーの導入がある。総譜には変ホ音が記されているだけだが、当時は打楽器奏者による即興的な演奏が期待されたと考えられる。果たして今回はどうだろう。その後ファゴットと低弦で厳粛な雰囲気が醸しだされ、それに弦楽が続く。主部は一変してアレグロ・コン・スピーリトで明るい主題が奏でられる。一説によれば、この旋律はクロアチア地方の民謡に由来するという。第2主題も軽やかなリズムを持つ。展開部では序奏の動機も展開される。さらに再現部に続くアダージョのコーダでも序奏の一部が再現される。

 第2楽章アンダンテ・ピュウ・トスト・アレグレット。ハ短調の旋律とその変形のハ長調の2つの主部に基づいた変奏形式。独奏ヴァイオリンによる第2主題の変奏がが聴きどころだ。

 第3楽章はメヌエットとトリオ。このメヌエット主題はヨーデルに由来するといわれている。2つの部分からなり、後半部分は対位法的に展開される。トリオは変ホ長調、ヴァイオリンにクラリネットを加えたノンビリとしたレントラー風のもの。

 終楽章フィナーレはアレグロ・コン・スピーリト。変則的なロンド形式で、ロンド主題のホルン響きはアルペンホルンを連想させ、その主題はクロアチア民謡の主題に旋律に由来する。

[フルート2,クラルネット2,ファゴット2,ホルン2,ティンパニー、弦楽5部]

交響曲第104番 ニ長調「ロンドン」 Hob.Ⅰ-104

《印象 感想など》

 第1楽章 総奏の出だし。スケールの大きさを感じさせる。第1テーマは素敵なメロディ。 第2楽章 まさにアンダンテのテンポの演奏。スッキリとした響き。ピリオド奏法の響きがとても良い。ドラマティックな演奏も入る。  第3楽章 活気のあるテンポの出だし。そして休みなく4楽章へ。  第4楽章 生き生きとした音楽。小気味よいテンポで走る。コーダでちゃんと収まる。ブラヴォー。

アンコール 「ロンドン」の4楽章 

 チクルスを締めくくるにふさわしい演奏。ブラヴォー。ブリュッヘンも新日フィルも本当に素晴らしい演奏会でした。

《レコード CDのことなど》

ハイドン:交響曲ロンドン・セットなど

 レコードやCDは、自分の気に入ったものを聴いていればいいわけですが、私は曲に依って色々ですが、CDの無い頃は、ワルターやネビル・マリナー、ビーチャムなどを聴いてきました。

 95番と101番「時計」はフリッツ・ライナーの交響楽団(亡くなる直前の録音で、メトロポリタン歌劇場のオーケストラと言われています)をよく聴きました。

 私が若い頃、アンタル・ドラティーフィルハーモニア・フンガリカで当時交響曲全曲を録音して大いに話題になったことを記憶している。資料(クラシック名盤大全~交響曲篇(音楽之友社 1998年5月)にはちゃんとリストに載っている。

 なお、CDでは全曲ではないが選集で、指揮:シギスヴァルト・クイケン ラ・プティット・バンドが曲がまとまっていてよく聴きます。

 なお、鈴木秀美がオリジナル楽器の室内オーケストラ・オーケストラ・リベラ・クラシカを指揮してハイドンの交響曲全曲演奏に取り組んでいます。最近は年2回の演奏会ですが、必ずハイドンの交響曲をプログラムに組んでいます。鈴木秀美はラ・プティット・バンドやフランス・ブリュッヘンの18世紀オーケストラでチェロを弾いていたそうですので、私は大いに期待しています。演奏会の次の演奏会にはライヴCDを発売します。鈴木秀美にハイドンの交響曲の全曲録音を期待したいと思っています。

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2009年7月14日 (火)

演奏家に行ってきました「2009都民芸術祭フェスティバル2009 NHK交響楽団 モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲、クラリネット協奏曲、リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェラザード」(2009-12)

東京芸術劇場大ホール(2009年2月27日(金)7:00pm開演)JR池袋駅徒歩5分) 私の席A席 Q列18番 日本演奏連盟よりオーケストラ演奏会を一括購入(中央後方席)満席 指揮:カルロス・シュピーラー NHK交響楽団  コンサートマスター:篠崎史紀  クラリネット:ポール・メイエ

《プログラム》

モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲

       :クラリネット協奏曲

リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェラザード」

《印象 感想など》

モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲 K.492

 コントラバス4人。有名な序曲。とても軽やかな響き、最高のアンサンブル。

《プログラムノーツ》 道下京子

モーツァルト:歌劇《フィガロの結婚》序曲 K.492

 歌劇「フィガロの結婚」は、1786年、ウイーンのブルク劇場で初演されたヴォルフガング・アマデウス・モーツァツアルト(1756~1791)の代表的作品である。原作者ポーマルシェの戯曲は、貴族制度に脅威を与えるという理由から、フランスのみならず、ウイーンでも厳しい検閲の対象となっていた。

 以下、簡単なあらすじである。アルマヴィーヴァ伯爵は、理髪師のフィガロが取り持って、めでたくロジーナと結婚できた。ところが、結婚生活に飽きてしまい、浮気心も芽生えてくる。家臣として伯爵に仕えていたフィガロは、小間使いのスザンナと結婚することになる。古い貴族制度では、使用人の娘が結婚する時、「初夜権」を行使できた。啓蒙主義の時代によって、その制度は過去のものとして使われなくなった。伯爵は、この昔の権利を行使して、スザンナに手を出そうとするところから物語は始まる。歌劇《フィガロの結婚》序曲は、この歌劇の面白おかしい、しかし非常に複雑な物語をほのめかすように開始する。

 序曲は、ニ長調、2分の2拍子、ソナタ形式で書かれている。冒頭の主要主題は、トリルのような動機で静かに始まり、やがてffで華々しく再提示される。短い序曲ではあるが、これから始まる物語への期待に、胸をときめかせるような見事な展開をみせてくれる。

モーツァルト:クラリネット協奏曲 イ長調 K.622

《印象 感想など》

第1楽章 軽やかな天国的な音楽。伸びやかにクラリネットが響く。明るいほど少し渋い響きも聞こえる。クラリネットの低音の響きがとても良い。あくまで軽やかな音楽で、何とも魅力的なモーツァルトの音楽。オーケストラも軽やかに付いていく。見事なオケとクラリネットの掛け合い。天上の音楽。

第2楽章 ゆったりとしたアダージョ。伴奏は軽やかで、クラリネットもソフトな音色。

第3楽章 クラリネットが素敵な出だし。転がるような、鮮やかな演奏。爽やかで、軽やかで、本当に素敵な音楽。クラリネットはとても上手い。

《プログラムノーツ》 道下京子

 モーツァルトは、木管楽器のための協奏曲を数多く作曲した。その多くは、楽器そのものの持つ個性が存分に発揮されており、今日まで愛奏されている。

 モーツァルトは、1787年頃に《バセット・ホルンのための協奏曲》ト長調K.621bをスケッチする。しかし、この作品は未完のままに終わってしまった。その後、手を加えられて、クラリネット協奏曲として日の目を見る。この作品が作曲されたきっかけは、モーツァルトの友人のクラリネット奏者アントン・シュタットラーの依頼による。この頃、彼は、バセット・クラリネットも扱うようになった。バセット・クラリネットは、通常のクラリネットよりも半音4つ分低い音域まで演奏可能な楽器である。作曲年代は1791年10月と見られており、死に瀕したモーツァルト最晩年の作品である。

第1楽章/アレグロ イ長調 4分の4拍子。快活でありながら、A管のクラリネット特有のやわらく優雅な雰囲気に包まれた楽章である。359小節にも及ぶ長大な楽章で、ソナタ形式に則ってている。柔和で抑制された第1主題と、息の長い旋律線の描かれた第2主題による。

第2楽章/アダージョ ニ長調 4分の3拍子。3部形式で書かれており、主部では、初めにクラリネットがなだらかな旋律を奏でる。自分の死を予感するような、諦めにも似た印象を与える。主部とは対照的に、中間部では、クラリネットは音程の音程の落差の大きな旋律を活き活きと表す。この部分では、クラリネット独奏はしばしば低音で奏される。

第3楽章/ロンド:アレグロ イ長調 8分の6拍子。冒頭から、クラリネットによって愛らしいロンド主題が提示される。音楽は軽快に進む中、ドラマティックな転調を重ねて、クラリネットの華やかなパッセージが繰り広げられる。

リムスキー=コルサコフ:交響組曲《シエラザード》 作品35

《印象 感想など》

コントラバス 7人。右奥。第1楽章 管楽器が重々しい出だし。コンサートマスターがソロヴァイオリンで生々しいテーマを奏する。そして合奏が有名なテーマを弾く。ハープ、フルート、ホルン、随所にソロヴァイオリンが有名なテーマを奏する。  第2楽章 クラリネットがシェラザードのテーマを吹き、弦も刻む。  第3楽章~第4楽章 うっとりするようなテーマが出てくる。最後にシエラザードのテーマがでて曲は静かに閉じる。

《プログラムノーツ》 道下京子

 「ロシア5人組の一人、ニコライ・リムスキー=コルサコフ(1844~1908)は、音楽家になることを夢見ていた。しかし音楽家の収入が不安定であることを理由に、両親に猛反対されて、海軍士官学校に入学を余儀なくされた。その後、リムスキー=コルサコフは士官候補生となり、2年8ヶ月にわたる遠洋航海へ出た。この時の印象は、1888年に作曲された交響組曲《シエラザード》に反映している。

 この作品は、「千夜一夜物語」(アラビヤン・ナイト)に登場する語り手、シエラザードの物語がテーマになっており、4つの楽章で構成されている。これらの楽章は、2つの主題(シャリアールとシエラザード)によって、連関性がもたらされている。特に、独奏ヴァイオリンの奏するシエラザードの主題は、どの楽章にも登場し、先夜一夜をの物語を綴るとともに、いわば循環主題の役割も担っている。各楽章の表題は、本来は付けられていなかった。交響曲ではなく「交響組曲」とすることで。作品は標題音楽として新たな意味を獲得した。また彼はヴァグナーの作品も研究しており、この作品における各種の主題は、ライトモティーフ的な役割も担う。さらにこの作品は、多彩なオーケストレーションを駆使したことでも特筆に値する。近代的なオーケストレーションの確立者であったリムスキー=コルサコフは、この作品を通して、20世紀においてラヴェルらによって実践された音色の開拓をしたといえる。作品完成後、同年中にサンクトペテルブルクの交響楽演奏会において、リムスキー=コルサコフ自身の指揮で初演された。

第1楽章/海とシンドバッドの冒険の船。

 レント・エ・マエストーソ ホ短調 2分の2拍子~アレグロ・ノン・トロッポ ホ短調 4分の6拍子。シェーリアールの主題が、重い低音で示される。その後、ヴァイオリン独奏によって、シエラザードの主題がレチタティーヴォ風に柔和に歌われる。この後、主部(アレグロ・ノン・トロッポ)に入る。ここでは弦楽器が海の主題を奏して、大きくうねる海の波がすぐれた描写力をもって描き上げられる。続いてクラリネットとファゴットなどが、シンドバッドの船の主題を和音で提示する。

第2楽章/カランダール王子の物語

 レント ロ短調 4分の4拍子~アンダンティーノ 8分の3拍子。カランダールは、諸国を遍歴する苦行層である。楽章は、物語を語り始めるシェラザードの主題で始まり、主部では、カランダール王子の主題をファゴットが演奏する。異国情緒に満ちた楽章である。

第3楽章/若き王子と王女

 アンダンティーノ・クァジ・アレグレット ト長調 8分の6拍子。甘美でうっとりするような雰囲気で曲は始まる。3つの部分で構成され、中間部では、小太鼓が軽快なリズムを刻みながら、クラリネットが舞曲風の王女の主題を演奏する。

第4楽章/バグダッドの祭り、海、青銅の騎士のある岩での難破、終曲。

 アレグロ・モルト ホ短調 8分の6拍子~ヴィーヴォ 16分の6拍子。

 第1楽章と対をなす楽章である。序奏において、木管楽器と弦楽合奏によってシャーリアールの主題が提示されたあと、シェラザードの主題が示される。主部(ヴィーヴォ)では、バグダッドの祭りのリズムに乗って、フルートの祭りの主題を激しく演奏する。これまでに登場した様々な主題が次々と登場し、クライマックスを形成した後、荒海で船が難破するシーンとなる。やがて、最後にシェラザードの主部が静かに歌われて、全体を締めくくる。

アンコール ブラームス:ハンガリヤン・ダンス第1番

 快演。盛大な拍手。

《プロフィール》

指揮:カルロス・シュピ-ラー

 1963年にストックホルムで生まれたカルロス・シュピ-ラーは、その後ベルリンで育ち、6歳でバイオリンとピアノを弾き始めた。そしてバイオリンのレッスンを、テキサス州立ヒューストン大学のフレーデル・ラックのもとで続けた。。指揮は、1984年から1990年にかけてハンブルク音楽大学のクラウス・ペーターザイヘルに学んだ。イタリアでフランコ・フェラーラ、オーストリアでフェルディナント・ライトナー、そしてシュjレスヴィヒ・ホルシュタイン音楽祭でのレナード・バーンスタインのマスタークラスに参加した。1987年、同音楽祭での指揮コンクールで優勝した。

 1990年から1995年、彼はキール歌劇場(ドイツ)でカペルマイスター、ソロ・レペティトーア、そして音楽監督のアシスタントを勤めた。・・・・・1997年、彼はイェヴレ交響楽団(スェーデン)の芸術監督兼音楽監督に任命され、1999年3月にはオランダ・ツアーを大成功させた。アムステルダムのコンセルトヘボウにおける、その最終コンサートにはCDにリリースされている。・・・・・

 2003年8月1日には、キーセン歌劇場(ドイツ)の音楽監督に任命され、そしてミネリア交響楽団(メキシコシティ)でも、同地位を3年間務めた。・・・・・

クラリネット:ポール・メイエ

 名実共に若手のトップに立つクラリネット奏者。1965年アルザス生まれ。13歳でソリストとしてデビュー。パリ高等音楽院とバーゼル音楽院で学ぶ。フランス国内外のコンクールで優勝後、1984年ニューヨークデビュー。ベニー・グッドマン出会い親交を結ぶ。以来世界有数のクラリネット奏者として活躍。

 協奏曲のレパートリーは約100曲もの数にのぼり、完璧な技術とずば抜けた音楽性、品のある豊かな音色を併せ持つ天才クラリネット奏者としてベリオ、ベンデレツキーを初めとする多くの作曲達から曲を捧げられ、初演も多い。・・・・・

 著名なクラリネット奏者として活躍する一方、指揮者としてのキャリアも急速に築きつつある。・・・・・2006年11月には第1回東京佼成ウインドオーケストラ作曲コンクールでの本選での指揮で絶賛を博し、同オーケストラとは2009年吹奏楽コンクール課題曲の録音も行っている。

NHK交響楽団

 NHK交響楽団の歴史は、1926年10月5日にプロ・オーケストラとして結成された新交響楽団に遡る。その後日本交響楽団の名称を経て、1951年に日本放送協会(NHK)の支援を受けることとなり、NHK交響楽団と改称した。この間、ドイツからジョセフ・ローゼンストックを専任指揮者として迎え、日本を代表するオーケストラとしての基礎を築く。

 演奏活動の根幹となる定期公演は、1927年2月20日の第1回予約演奏会に始まり、第2次世界大戦中も中断することなく続けられた。以来今日に至るまで、ヘルベルト・フォン・カラヤン、エルネスト・アンセルメ、ヨゼフ・カイルベルト、ロヴロ・フォンマタチッチなど世界一流の指揮者を次々と招聘、また話題のソリストたちと共演し、歴史的名演を残している。・・・・・

 現在N響が擁する指揮者は、名誉音楽監督シャルル・デュトワ、桂冠指揮者ウラディミール・アシュケナージ、桂冠名誉指揮者ウォルフガング・サヴァリッシュ、名誉指揮者オトマール・スイトナー、ヘルベルト・ブロムシュテット、正指揮者外山雄三、若杉弘、またネルロ・サンティ、準・メルクル、アラン・ギルバートら、多彩な実力派たちが定期的に客演している。

《レコード CDのことなど》

モーツァルト:クラリネット協奏曲

 レコードやCDは自分の気に入ったものを聴いていればいいわけですが、モーツァルトのクラリネット協奏曲は、レオポルド・ウラッハのクラリネットのレコード、CDが評判が良いようですが、私はフランソワ・エティエンヌのクラリネット、エウイット指揮エウイット管弦楽団のモノラルレコード(1954年録音)を愛聴してきまし。

リムスキー・コルサコフ:交響組曲「シエラザード」

 私は、イーゴル・マルケヴィッチ指揮:ロンドン交響楽団のLPレコードをよく聴いてきました。(たぶん録音は1960年代後半か?)今はほかに、音の良い録音はたくさんあるようですが)

 

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2009年7月 9日 (木)

演奏会に行ってきました「ロンドン・セット全曲演奏会第3回 交響曲第99番、交響曲第100番「軍隊」、交響曲第101番「時計」(2009-11)

2月20日(金)7時15分開演 東京メトロ錦糸町駅徒歩7~8分・JR錦糸町駅徒歩5分すみだトリフォニーホール(パイプオルガンもある、床や壁が焦げ茶色を基調としたとても響きの良いホール。

《プログラム》

ハイドン:交響曲第99番 変ホ長調 Hob.Ⅰ-99

      交響曲第100番 ト長調「軍隊」 Hob.Ⅰ-100

      交響曲第101番 ニ長調「時計」 Hob.Ⅰ-101

指揮:フランス・ブリュッヘン  コンサートマスター:豊嶋泰嗣  新日本フィルハーモニー交響楽団 

《交響曲の歴史におけるロンドンセットの位置づけ》 那須田 努

 1790年、ハイドンが30年近く仕えてきたニコラウス・ヨーゼフ・エステルハージ候が逝去した。新しい主君はさほど音楽に関心がない。オーケストラは解散され、今となって楽長の地位は有名無実。他の宮廷からの誘いも断り、これからどうしようかと考えていた折り、突然、ウイーンのハイドンのもとに一人の人物が訪ねてきて、こういうのだった。「私はロンドンからきたザロモンです。あなたをお迎えに参りました。明日契約しましょう」。その男はドイツのボン出身のヴァイオリン奏者でコンサート・プロジューサー、ヨハン・ペーター・ザロモン。大都会ロンドンでザロモン・コンサートという公開演奏会を主催していて、イタリア旅行中にハイドンがフリーランスになったことを知り、急遽駆けつけたのだった。

 契約の内容は新作オペラと12の新しい交響曲の作曲を始めとする作品の作曲と、交響曲の指揮や慈善コンサートなどへの出演である。ハイドンの心を惹いたのは、コンサートマスター、ザロモン以下、総勢40名からなるオーケストラだった。(その内訳はヴァイオリン16、ヴイオラ4,チェロ3,コントラバス4,各2本のフルート、オーボエ、ファゴット、ホルン、クラリーノ、ティンパニー)。エステルハージー宮の楽団(1780年代に24名)に比べてずっと編成が大きいし、名手たちも揃っている。このオーケストラのために存分に腕を振るってみたい。こうして1791年からおよそ1年半の、さらに1794年からの1年半の二度にわたるロンドン滞在が実現し、計12曲(第1期93番~98番、第2期99番~104番)の新しい交響曲が誕生したのだった。

 ハイドンは1757年に最初の交響曲に取り組んで以来、生涯を通して104曲の交響曲を残した。このロンドン・セットはその集大成であると同時に、古典派における同ジャンルの頂点に聳え立つ傑作である。なお、当シリーズではハイドンの交響曲の番号順ではなく、ロビンソンの研究による作曲年代順に演奏される。

《印象 感想など》

 私の席 25列33番。今日は平日からか聴衆の出足はよくない。しかし開演時にはほぼ満席になる。

交響曲第99番 変ホ長調 Hob.I-99

 コントラバス4,左奥。第1楽章 ティンパニーの一打で始まる。ティンパニーが効果的に使われる曲。明るい感じの楽章。ノンビブラートの奏法。  第2楽章 テンポを落とした優雅なメロディが流れる。トランペットがいいメロディを奏す。  第3楽章 テンポの速い、勢いのある楽章。トリオはなかなか優美。  第4楽章 刻みの速い、生き生きとした楽章。最後は見栄をきらず、意外に控えめに終わる。指揮者、退席せず、指揮台にいたままチューニング。

《曲目解説》 那須田 努

 ハイドンの2度目のロンドン旅行におけるコンサート・シーズンの幕開けを飾った作品。1794年2月10日に行われた第1回ザロモン・コンサートで初演された。第1楽章の序奏アダージョは比較的規模の大きな作りで、2つの部分からなり、手探りしているかのような転調を経て主調に戻る。主部のヴィヴァーチェ・アッサイはソナタ形式。第2主題の旋律が個性的だ。

 第2楽章アダージョは、第1楽章の変ホ長調からかなり遠く経だったト長調。ソナタ形式。第1主題は弦楽器と木管楽器で対話のように奏じられる。第2主題は属調のニ長調。その後も展開部の転調やカノン風の再現部など充実している。

 第3楽章メヌエットはアレグレット。鋭いアーテキュレーションやピアノとフォルテの掛け合い、スフォルツァンドなどによって、シャープで立体的なテクスチャーがもたらされる。トリオはそれとは対照的に優美な趣を持つ。

 フィナーレ楽章はヴィヴァーチェ。ロンド・ソナタ形式。ソナタ形式の展開部に当たる部分では、主題の対位法的な展開や転調がスリリングだ。

(フルート2,オーボエ2,クラリネット2,ファゴット2,ホルン2,トランペット2,ティンパニ、弦5部)

交響曲第100番ト長調「軍隊」 Hob.Ⅰ-100

《印象 感想など》

第1楽章 例の有名な弦楽器の出だし。フルートがテーマを吹く。弦楽器が明るく爽やかな演奏。合奏が快適に続く。フルート、ピッコロが軽やかに流れる。  第2楽章 ここも木管、フルートと弦の絡みがとても良い。大太鼓、ティンパニー、トライアングル、トランペットが有名なテーマを奏する。  第3楽章 3拍子の活気のある開始。リズミックナ音楽が続く。トリオが奏される。また前の3拍子のテーマが繰り返される。  第4楽章 ダイナミズムが増して4楽章へ。とても気持ちの良いアンサンブル。ティンパニー小気味よい爽やかな音楽を奏す。舞台の右手から、先頭は錫杖のようなものを持った楽隊(大太鼓、シンバル等がが登場。左袖へ進み消える)。まさに「軍隊」。ブリュッヘンの演出か?ブラヴォーの連呼。

《曲目解説》 那須田 努

 第2回ロンドン旅行に発表された新作3曲目で、1794年3月31日に第3回ザロモン・コンサートで初演された。ニックネームの「軍隊」は、第2楽章と第4楽章に軍楽隊風の打楽器が用いられていることから。しかし、トライアングルとシンバル、大太鼓はむしろトルコ風の音楽の特徴ともいえる。とりわけ、ロンドンの御婦人方のお気に入りで、その箇所が来ると手を叩いて熱狂したという。

 第1楽章の序奏はアダージョにソナタ形式によるアレグロの主部が続く。第1主題は2つのオーボエに伴われたフルートのソロで奏でられ、弦楽で繰り返され、さらにトゥッティによる経過部を経て再現部へ。第2主題は属調上のニ長調。この軽やかな主題の動機は楽章を通して重用される。

 第2楽章ハ長調、アレグレットは、コーダ付の複合三部形式だが、ロンド風な性格を併せ持つ。もともとリラ・オルガニーザタのための協奏曲ト長調HobⅦh:3の第2楽章ト長調「ロマンス」を再利用したもので、その際にトランペットのファンファーレとトルコ風打楽器を付加した。軍楽隊風の箇所は何度か現れるが、最も印象的なのはコーダ。一度主和音に落ち着いたと思ったら、突然トランペットが軍隊信号を吹き鳴らし、ティンパニーのロールが急激にクレッシェンドしてトゥッティによるフォルテシモで和音を爆発させる。この楽章はロンドンに限らずウイーンでも人気を博し、様々に編曲されて愛好された。

 第3楽章メヌエット、モデラート。ト長調。トリオの主題はヴァイオリン、フルートとオーボエで。フィナーレ楽章はプレスト。ロンド・ソナタ形式。規模の大きな充実した楽章で、第2主題の出現ではトルコ風打楽器群が加わって華やかに曲を閉じる。

(フルート2,オーボエ2,クラリネット2,ファゴット2,ホルン2,トランペット2,ティンパニー、大太鼓、シンバル、トライアングル、弦楽5部)

《印象 感想など》 

交響曲第101番 ニ長調「時計」 Hob.Ⅰ-101

第1楽章 アダージョの有名な出だし。軽やかな速いテンポで、快調に流れる。  第2楽章 時計のチクタクという有名なテーマ。快調なメリハリをつけた刻み。絶妙なアンサンブルが素晴らしい。  第3楽章 快適なテンポで、リズムをしっかりと刻む。トリオはフルートが活躍。  第4楽章 テンポの速いフィナーレ楽章。ファゴット、快調に走る。コーダ、テンポを上げて盛り上がる。ハイドンの古典音楽を堪能出来た。ブラヴォー。

アンコール 「時計」の2楽章 

 万雷の拍手。

《曲目解説》  那須田 努

 第2回ロンドン旅行に発表された新作2曲目。初演は、1794年3月3日の第4回ザロモン・コンサートにて。ニックネームは、第2楽章の時計の振り子のような伴奏音型に由来する。

 第1楽章アダージョの序奏は、同主短調のニ短調。主部はニ長調、ソナタ形式で書かれ、プレストの軽やかに駆け上がる第1主題と、やはり快活なイ長調の第2主題からなる。

 第2楽章アンダンテ、ト長調。変奏曲風のロンド形式。主題を伴奏するファゴットのスタッカートと第2ヴァイオリン、チェロとコントラバスのピチカートが時計のチクタクを思わせる。

 第3楽章メヌエットはアレグレット。トリオは弦楽がオスティナート上でフルートがソロを奏でる。フィナーレ楽章はヴィヴァーチェ。複雑で変則的なロンド形式。

(フルート2,オーボエ2,クラルネット2,ファゴット2,ホルン2,トランペット2,ティンパニー、弦楽5部)

 

 

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2009年7月 4日 (土)

演奏会に行ってきました「2009都民芸術フェスティバル 東京都交響楽団 ワーグナー:歌劇「リエンツィ」序曲、モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番、ベートーヴェン:交響曲第7番」(2009-10)

2009年2月18日(水)7:00pm開演 東京芸術劇場大ホール(JR池袋駅徒歩5分)日本演奏連盟よりオーケストラ券一括購入 私の席A席Q列18番 満席

《プログラム》

指揮:マーティン・ブラビンス  ピアノ:仲道郁代  東京都交響楽団  コンサートマスター:山本友重

ワーグナー:歌劇「リエンツィ」序曲

モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番 ハ長調 K.467

ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 作品92

《印象 感想など》

ワーグナー:歌劇「リエンツィ」序曲

 コントラバス6人。出だしトランペットから弦へ。ワーグナーらしい分厚い響き。アンサンブルはとても良い。中半以降、有名なテーマ。テンポを上げて突き進む。チューバ、効果的に吹く。弦の中低音が有名なテーマをとてもよく弾く。管が総奏してコーダを突き進み、大いに盛り上がる。

モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番 ハ長調 K.467

Ⅰ アレグロ  Ⅱ アンダンテ  Ⅲ アレグロ ヴィヴァーチェ アッサイ

 第1楽章 コントラバス2人。ピアノ:スタインウエイ。仲道、薄紫のシックなドレス。軽やかな伴奏の出だし。ピアノ、カッチリとした音、タッチ。転がすような音で進む。モーツァルトの音楽、溜息の出るような素敵な調べ。ピアノ、キラキラとした音色。カデンツアは見事な演奏。ハ長調らしい明るい曲想。

第2楽章 映画に使われた有名なテーマでやるせないメロディが奏でられる。第3楽章 テンポ速めの出だし。ピアノは玉を転がすように走る。心地よい音楽が流れる。軽やかなモーツァルトの音楽を堪能する。ブラヴォー。

     ・・・・・休 憩・・・・・

ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 作品92

Ⅰ ポコ ソステヌート-ヴィヴァーチェ  Ⅱ アレグレット  Ⅲ プレスト  Ⅳ アレグロ コン ブリオ

第1楽章 オーボエで入る。第一テーマ、快調なリズム。リズムの乱舞。  第2楽章 チェロ、コントラバス、少し重くテーマを奏す。第2ヴァイオリン、ヴィオラが続き、第1ヴァイオリンが入る。そして全合奏へ。ティンパニー、フルートが奇麗に響く。

第3楽章 リズミックな入り。ティンパニーが印象的に響く。生き生きとした素敵な合奏になる。  第4楽章 直ぐに4楽章に入る。とてもリズミックな音楽で、快調に突っ走る。そしてコーダへ疾走。大変な盛り上がりを見せる。快演、凄演。ブラヴォー。

アンコール モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲

 これも凄い演奏。心地の良い演奏会でした。

《プログラムノーツ》 寺西基之

歌劇「リエンツィ」序曲

 19世紀ドイツの大作曲科リヒャルト・ワーグナー(1813~83)といえば、音楽、文学、演劇などを一体化した総合芸術としての楽劇を確立し、オペラ史に大きな革命をもたらした革新的な人物として知られている。

 しかしその彼も初期には伝統的なオペラの様式から出発している。1838~40年に書かれた「リエンツィ」(台本は作曲者自身)はそうした初期のオペラの代表作で、いまだ当時のフランスの華麗なグランド・オペラのスタイルによっており、のちの楽劇の特徴はまだ現れていない。もともとパリでの上演を望んで書かれたことも、この作品を一層フランス的なスタイルにさせたものと思われる。しかしながら結局初演はパリではなく、1842年にドレスデンの宮廷歌劇場において行われている。そしてその成功によってワーグナーはここの楽長に就任し、彼のドレスデン時代が始まることになる。

 物語の舞台は14世紀のローマ。リエンツィはローマ教皇の公証人だったが、民衆の支持があって護民官となる。しかし貴族の陰謀と民衆の裏切りにあって、彼は死に追いやられることになる。今日ではオペラ全曲が上演される機会はきわめて少ないが、序曲だけはよく演奏されている。理想主義者リエンツィと民衆の解放を描いたこのオペラにふさわしく、実に壮大な序曲で、オペラ中の主題を用いてシンフォニックに展開する。

モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番 ハ長調 K.467

 ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756~91)は1781年、故郷ザルツブルクを離れてウイーンに移住し、ここで自立したフリーの音楽家としての新しい人生をスタートさせた。彼はピアノ(クラヴィーア)の奏者、およびピアノ教師としての活動によって、ほどなく新天地での生活を軌道に乗せる。とりわけウイーンでの彼の大きな収入源となったのは、貴族や富裕な市民を対象に予約者を募って開いた演奏会であった、。

 この演奏会でモーツァルトが弾く自作のピアノ協奏曲は、当時ウイーンの大きな話題となり、彼を音楽界の花形にすることとなった。こうしてウイーン時代のモーツァルトは、この予約演奏会のために、多数のピアノ協奏曲を生み出していくことになるのである。

 本日のハ長調K.467は、1785年3月10日の予約演奏会のために書かれたもので、その前日に完成された。この1ヶ月前の2月11日の予約演奏会のためにもモーツァルトはニ短調のK.466(第20番)を書いていたが、、それがきわめて悲劇的な作風を示したものであったのに対し、このハ長調の曲は祝典的な明るさに満ちている。こうした対照的な作品を時期を接して創作するという点に、当時まだ新しいジャンルであったピアノ協奏曲の可能性を様々に追求しようとする彼の姿勢がが窺われるといえるだろう。とりわけそのシンフォニックともいえる堂々たる響きは、従来の協奏曲の概念を一歩超えた広がりを示している。

 第1楽章 (アレグロ、ハ長調)は、行進曲風の第1主題と、平明な第2主題を持つ協奏的ソナタ形式楽章。技巧的な独奏ピアノと管弦楽との緻密な絡み合い、入念な展開法など、交響曲のようなスケールの広がりを示す。

 第2楽楽章(アンダンテ、ヘ長調)は優美な美しい歌に満ちた緩徐楽章。その主題は映画にも用いられて有名となった。

 第3楽章(アレグロ・ヴィヴァーチェ・アッサイ、ハ長調)は、ロンド・ソナタ風の形式による快活華麗なフィナーレである。

ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 作品92

  18世紀古典派の様式から出発しながらも、時代にふさわしい新しい様式を常に求め続けていった革新家ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770~1827)は、交響曲のジャンルにおいても1曲ごとに新たなスタイルや方法を試みている。

 中期から後期への過渡期に当たる1811~12年に書かれた交響曲第7番の特徴は、曲の主たる構成原理として同一リズムの反復という手法を用い、反復リズムが生み出す躍動感や生命観を存分に生かしているといる点にあるといえるだろう。実際この交響曲(とりわけ第4楽章)の持つリズムの力同感は、19世紀初頭のロックンロールとでもいえるような、聞くものを酔わせるものがある。大ヒットした「のだめカンタービレ」用いられたことでさらにポピュラーなものとなったことはご承知のとおりだが、もともとそのように万人に受け入れられるような舞踏的な要素を持った作品なのである。しかもそれでいながら、交響曲のジャンルにふさわしい緻密な構成感と深い精神性を湛えているところがベートーヴェンらしい。のちにワーグナーがこの作品について述べた“舞踏の神格化”という評は、そうした点をうまく言い当てたものであるといってよい。

 一方、この時期のベートーヴェンはカンタービレ(すなわち歌うような性格)を重視する傾向を示すようになっていたが、この交響曲にもそうした特徴が現れており、主題の旋律はカンタービレに満ちた性格を持つものとなっている。このようにリズム的要素とカンタービレ主題を結びつけた点に、第7交響曲のユニークさがあるといえるだろう。それは、主題や動機の徹底的な展開によって築き上げられた中期の交響曲第5番や第6番ととは、異なる方向を示している。第6交響曲のあと第7番が完成されるまでには4年ほどのブランクがあるが、このブランクは、ナポレオン戦争の影響による創作の滞りやベートーヴェン個人の私的事情のほかに、彼がこの時期に新しい交響曲のあり方についての模索を行っていたからとも考えらだろう。公開の初演は、1813年12月8日ウイーンで作曲者自身の指揮で行われ、大成功を収めた。

 第1楽章は充実した序奏(ポーコ・ソステヌート、イ長調)の後、木管の付点リズムに導かれてソナタ形式の主部(ヴィヴァーチェ、イ長調)へ入る。その付点リズムがこの楽章の統一リズムとなっており、躍動感に満ちた展開が織りなされていく。

 第2楽章(アレグレット、イ長調)タータタ・タータという行進曲風のリズム型に楽章全体が支配されるが、そうした一貫したリズムによりながらも、長調のエピソードの挿入、後半のフガートの導入など、実に多様な表情の変化が示されていく。

 第3楽章では、躍動的な主題によるスケルツォ(プレスト、ヘ長調)と粘ったリズムを特徴とするトリオ(アッサイ・メーノ・プレスト、ニ長調)が交互に現れる。

 第4楽章(アレグロ・コン・ブリオ、イ長調)は力動感あふれるリズムによって躍進するソナタ形式のフィナーレ。そのエネルギーはコーダでさらなる高揚を作りだし、圧倒的な興奮に満ちたクライマックスを築く。

《プロフィール》

指揮:マーティン・ブラビンス

 ブラビンスは2009年9月よりロイヤル・フランダース・フィルの主席客演指揮者に就任する。2005年~2007年、チェルトナム国際フェスティバルの芸術監督を、1994年~2005年、BBCスコティッシュ響の副主席指揮者を務めた。ロンドンで作曲を学び、レニングラードでイリヤ・ムーシンに指揮を師事した後、1988年、リーズ指揮者コンクールで優勝。・・・・・

 2008年春、フランクフルトで《トスカ》を指揮。ピツェッテイの《大聖堂の殺人》(新作)で2011年に再訪する。2009年春、《ヴェニスに死す》の新制作でリヨン歌劇場にデビュー。2010年にハンブルクを再訪して、同オペラを指揮する。・・・・・

 ブラビンスはエルガー、ブリテン、ウォルトンのレパートリーで知られ、19世紀ロマン派、ロシアやフランスのレパートリーにも親近感をもっている。また彼は欧州で、現代音楽の卓越した演奏者として知られている。・・・・・

ピアノ:仲道郁代

 桐朋学園大楽1年在学中に、第51回日本音楽コンクール第1位、あわせて増沢章を受賞し注目を集めた仲道郁代は、数々の国内外での受賞を経て、1987年ヨーロッパと日本で本格的な演奏活動をスタートさせた。

 これまでに日本の主要オーケストラと共演した他、海外のオーケストラとの共演も数多く、マゼール指揮ピッツバーグ交響楽団、バイエルン放送交響楽団及びフィルハーモニア管弦楽団などのソリストとし迎えられ、その音楽性に高い評価を得ている。・・・・・

 レコーディングはBMG JAPAN専属契約を結び、多数のCDをリリース。ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第30,31、32番は、2007年度第45回レコード・アカデミー賞(器楽部門)を受賞。・・・・・

 2003年からは、地域社会の活性化と音楽文化の発展を目指し、大阪音楽大学特認教授、財団法人地域創造理事としても積極的に活動している。

《レコード CDのことんなど》

モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番

 レコード、CDは自分の気に入ったものを聴いていればいいわけですが、モーツァルトの21番の協奏曲は、ピアノ:ディヌ・リパッティ、カラヤン指揮ルツェルン音楽祭管弦楽団(1950年録音)のLPレコード、ピアノ:エリック・ハイドシェック、A・ヴァンデルノート指揮パリ音楽院管弦楽団のLPレコード、ピアノ:フリードリッヒ・グルダ、クラウディオ・アバド指揮ウイーンフィルハーモニー管弦楽団のLPレコードをよく聴いてきました。

ベートーヴェン:交響曲第7番

 ピエール・モントウー指揮ロンドン交響楽団のLPレコード、カルロス・クライバー指揮ウイーンフィルハーモニー管弦楽団のLPレコード、C・クライバー指揮バイエルン国立オーケストラのライブCDを聴いてきました。

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2009年7月 2日 (木)

演奏会に行ってきました「ロンドン・セット全曲演奏会」第2回目 交響曲第94番「驚愕」、交響曲第97番、交響曲第98番」(2009-9)

おかげさまで本ブログへのアクセスが18000を超えました。ご愛読どうもありがとうございました。今後も引き続き、書き続けてまいります。ご愛読よろしくお願いします。なお感想などありましたら、返信下さい。

2009年2月15日(日)午後3時開演 すみだトリフォニーホール(東京メトロ錦糸町駅徒歩7~8分、JR錦糸町駅徒歩5分)

《プログラム》

ハイドン:交響曲第94番「驚愕」

      交響曲第97番 ハ長調 Hob.Ⅰ-97

      交響曲第98番 変ト長調 Hob.Ⅰ-98

指揮:フランス・ブリュッヘン  新日本フィルハーモニー交響楽団  コンサートマスター:西江辰郎

《印象 感想など》

交響曲第94番 ト長調「驚愕」 Hob.Ⅰ-94

 Ⅰ アダージョ-ヴィヴァーチェ アッサイ  Ⅱ アンダンテ  Ⅲ メヌエット:アレグロ モルト  Ⅳ フィナーレ:アレグロ デ モルト

《印象 開設など》

遅れて聴けず。ロビーでテレビで見る。残念。

交響曲第97番 ハ長調 Hob.Ⅰ-97

第1楽章 アダージョ  第2楽章 アダージョ  第3楽章 メヌエット  第4楽章 プレスト アッサイ

私の席 13列33番。

第1楽章 ブリュッヘン、椅子に座って指揮。ノン・ビブラートのオリジナル奏法が心地良い。  第2楽章、変ロ長調のはずだけど、短調の響きに聞こえる。  第3楽章 3拍子のメヌエット。  第4楽章 テンポの速い楽章。快調な演奏で締めくくる。

《印象 感想など》

 Ⅰ アダージョ-ヴィヴァーチェ アッサイ  Ⅱ アンダンテ  Ⅲ メヌエット:アレグロ モルト  Ⅳ フィナーレ:アレグロ デ モルト

《曲目解説》 パンフレットより

 初演はおそらく1792年5月3日に開催されたハイドンの慈善コンサート、もしくは5月4日の第10回ザロモン・コンサートにて。第1楽章はアダージョの序奏とヴィヴァーチェ、ソナタ形式の主部からなる。ハ長調らしい荘厳かつ祝典的な情感に溢れた楽章で、主部では第1主題の後、ゼネラル・パウゼを一つ置いて第2主題となる。展開部は変ホ長調で開始され、第1主題の素材が展開される。再現部は定石通り。

 第2楽章アダージョ・マ・ノン・トロッポ。主題と3つの変奏からなる。弦楽の優美な主題に挿入される。木管による合いの手のような和音がユニーク。短いスパンでの変化に富んだデュナーミクが印象的だ。

 第3楽章メヌエットはアレグレット。金管やティンパニを伴う華やかな楽章。ドイツ舞曲風のトリオの最後のフレーズで、独奏ヴァイオリン(初演ではザロモンが弾いた)が、第1ヴァイオリンの1オクターブ上を演奏する。

 フィナーレ楽章はプレスト・アッサイ。表情豊かな第1主題と堅いアーティキュレーションの同音反復を特徴とする第2主題からなるロンド・ソナタ形式。コーダで一度完全休止となったと思ったら、第2主題の動機に導かれるように再び第1主題の動機が現れて曲を閉じる。

(フルート2,オーボエ2,ファゴット2,ホルン2,トランペット2,ティンパニ、弦楽5部)

交響曲第98番 変ロ長調 Hob.Ⅰ-98

第1楽章 アダージョ  第2楽章 アダージョ  第3楽章 メヌエット  第4楽章 プレスト

《印象 感想など》

 コントラバス5人。中央奥。4楽章始まる前にピアニストが登場。フォルテピアノが愛らしい音で、素敵な音楽を奏でる。

《曲目解説》 パンフレットより

 1972年の3月2日の第3回ザロモン・コンサートで行われた。終楽章にチェンバロのソロがあるのが特徴で、初演の際にはハイドン自身がフォルテピアノで演奏した。また、1796年3月に再演された際にはクレメンティがピアノを受け持ったという。

 第1楽章、アダージョの序奏に変ロ短調の重苦しい旋律で始められ、主部は同じ動機を用いながらも、それとは対照的な明るい颯爽とした第1主題を持ち、オーボエなどの木管と弦の音階による第2主題は提示部の終わり頃に現れる。

 第2楽章アダージョ、ヘ長調。3部形式とソナタ形式と変奏曲が混ざり合った複合三部形式。再現部で独奏チェロのオブリガートが聴かれる。

 第3楽章メヌエット。メヌエットの主部は装飾音で飾られているが力強い。トリオはゆったりとしたレントラー風。

 終楽章のプレストはソナタ形式。展開部でヴァイオリンの独奏が聴かれるが、初演ではザロモンが弾いたことだろう。コーダで意表を突いて一度テンポを落とし、第1主題が2度提示されるが、2度目にフォルテピアノソロが愛らしい響きを奏でる。ユーモリスト、ハイドンの真骨頂ともいえる愛すべき交響曲である。

フォルテピアノ:渡辺順生(よしお)

(フルート、オーボエ2,ファゴット2,ホルン2,トランペット2,ティンパニ、フォルテピアノ、弦楽5部)

《プロフィール》

指揮:フランス・ブリュッヘン

 フランス・ブリュッヘンは、18世紀から19世紀初期にかけての作品演奏の第一人者としての評価を確立している。「18世紀オーケストラ」創設メンバーとして、ラモー、バッハ、モーツアルト、ハイドン、ベートーヴェン、さらにベルリオーズやシューマンまでを含む幅広いレパートリーをオリジナル楽器で演奏するこのスペシャリスト集団とともに、徹底した演奏活動を続けている。

 このユニークなグループのメンバーは、各シーズン3回、世界のコンサートホールを訪れる演奏ツアーを行うことで一同に集う。ツアーはまもなく80回を迎える。

 ブリュッヘンはまた、オランダ放送室内フィルハーモニー(ヒルヴェルスム)の主席指揮者、およびエイジ・オブ・インライトゥメント管弦楽団の主席客演指揮者を務めている。また、チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団、スコットランド室内管弦楽団、パリ管弦楽団などに定期的に出演している。

 近年ではモダン楽器のオーケストラを指揮する機会をもち、これまでに共演したフィルハーモニア管弦楽団、ロッテルダム・フィルハーモニ管弦楽団、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団、スカラ座フィルハーニー管弦楽団、そして新日本フィルハーモニー交響楽団とのコラボレーションが、定期的に開催されている。NJPとは2005年、2007年に続いて3度目の共演となる。

新日本フィルハーモニー交響楽団

 「一緒に音楽をやろう」1972年、指揮者・小澤征爾のもと楽員による自主運営のオーケストラとして創立。1979年、しみだトリフォニーホールで、日常の練習と公演を行う日本初のフランチャイズを導入。定期演奏会や海外公演等で高い評価を得る一方、墨田区で地域に根ざした演奏活動も行っている。

 また映画「千と千尋の神隠し」「ハウルの動く城」「崖の上のポニョ」の音楽も担当。2003年クリスチャン・アルミンクが音楽監督に就任。2006年「火刑台上のジャンヌ・ダルク」で第3回三菱信託音楽賞奨励賞受賞。2008/2009シーズンの客演指揮者にダニエル・ハーディング、フランス・ブリュッヘン、上岡敏之などが登場する。

フォルテピアノ:渡辺順生

 1950年に鎌倉に生まれる。1973年、一橋大学社会学部卒業。アムステルダム音楽院にてチェンバロをグスタフ・レオンハルトトに師事、ソリスト・ディプロマおよびプリ・デクセランスを取得。その後、ヨーロッパ各地にて演奏活動を行い、1980年に帰国。以来古楽器演奏の啓蒙と普及に努め、精力的な演奏活動を展開し、チェンバロ、フォルピアノ、クラヴィコード奏者、指揮者として活躍。フランス・ブリュッヘン、アンナー・ビルスマ等、欧米の名手たちとも共演多数。・・・・・上野学園大学、桐朋学園大学、東京音楽大学及び国立音楽大学、講師。

 

 

   

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