演奏会に行ってきました「2009都民芸術フェスティバル助成公演 日本フィルハーモニー交響楽団 ブラームス・プログラム :大学祝典序曲、ヴァイオリン協奏曲、交響曲第4番」(2009-15)
2009年3月12日(木)7:00pm開演 (JR池袋駅徒歩5分)日本演奏連盟よりオーケストラ公演一括購入 私の席A席Q列18番通し券 満席
《プログラム》
~ブラームス・プログラム~
大学祝典序曲 作品80
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77
交響曲第4番 ホ短調 作品98
指揮:梅田俊明 ヴァイオリン:竹澤恭子 コンサートマスター:木野雅之
《印象 感想など》
大学祝典序曲 作品80
この曲を聴くと、どうしてもラジオの「大学受験講座」を思い出す。厚みのあるアンサンブル、テーマでグッとくる。次々とドイツの学生歌のメロディーが出てくる。青春賛歌。大太鼓やトライアングルなどが出てきて、よく流れ歌う演奏。コーダ、大いに盛り上がる。
《プログラムノーツ》 道下京子
ヨハネス・ブラームス(1833~1897)が作曲した序曲は2曲である。1つは、1879年にプレスラウ大学から名誉博士号を授与されたことへの返礼として、1880年に作曲された《大学祝典序曲》である。もう1つは、厳粛な雰囲気の《悲劇的序曲》である。ほぼ同時期に作曲されたこの2曲は、交響曲の作曲経験を土台として、様々な作曲経験も見られる。
1880年夏、ブラームスは、オーストリアの避暑地バート・イシュルに初めて滞在し、名誉博士号授与への返礼のための作品の創作に着手した。作曲は速いスピードで行われ、8月に着手、9月に完成を見た。初演が行われたのが授与式の折で、1881年1月4日、ブラームスの指揮により、ブレスラウで行われた。この作曲に当たり、ブラームスは、学生生活を作品に取り入れることを構想し、《ドイツ学生のための酒宴歌曲集》に収められた学生歌4曲(「我らは立派な校舎を建てた」「領邦君主」「新入生の歌:」「喜びの歌」の旋律を、作品に織り込んだ。まず、第63小節からトランペットによって「我らが立派な校舎を建てた」の旋律が厳かに演奏される。第129小節には「領邦君主」の旋律が現れてヴァイオリンが奏でる。続いて、第157小節からの「新入生の歌」の旋律は、ファゴットによって軽快に開始する。最後に「喜びの歌」の旋律が第379小節から示されて、音楽は壮麗な雰囲気に包まれて結ばれる。
《大学祝典序曲》は、オーケストレーションの実験の場でもあった。特に、多彩な打楽器の使用は注目される。この作品には、ティンパニーをはじめ、大太鼓、トライアングル、シンバルなどの打楽器が用いられている。ブラームスが、トライアングルを管弦楽曲に使用したのは、この作品が初めてであり、後に作曲された《交響曲》第4番におけるトライアングルの使用に、少なからず影響を与えている。
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77
《印象 感想など》
竹澤 黒っぽいシックなドレスで登場。 第1楽章 ブラームスらしい出だし。ヴァイオリンはきりりと引きしまった美音。よく歌い、鳴り響く。梅田は快調に付ける。ヴァイオリンは艶のある張りのある音。カデンツアが素敵。 第2楽章 オーボエが有名なテーマ。いつ聴いても素晴らしいメロディー。ヴァイオリンが艶やかなメロディーで続く。 第3楽章 勢いのある出だし。ヴァイオリンが抜群のテクニックで続く。やはり竹澤は凄い演奏。ソロヴァイオリン、伴奏とも一体となって熱っぽい演奏。コーダ追い込み、雪崩れ込む。何とも凄い演奏。盛大な拍手。ブラヴォーの連呼。
《プログラムノーツ》 道下京子
(大学祝典序曲)完成の2年前(1878年)、ブラームスは(ヴァイオリン協奏曲)を作曲する。この前には、(交響曲)第1番と第2番を相次いで完成させている。交響曲作曲家としての地位を確立した時期でもあり、ブラームスは、創作における円熟した時期を迎えていた。(ヴァイオリン協奏曲曲)は、初期の初期の破棄された作品を除くと、彼にとっての初めてのヴァイオリン作品であった。ブラームスの創作にに対する慎重すぎる姿勢と、新しいヴァイオリン協奏曲に対する書法のさらなる模索によって、この作品に対する創作は遅々として進まなかった。創作に対しては、友人のヴァイオリン奏者ヨアヒムと幾度となく意見を交わし、ブラームスはスケッチを送り、ヨアヒムに意見を求めた。残された自筆譜の中にも、特にヴァイオリン・パートには、ヨアヒムの細かな添削が施されており、ヴァイオリンの表現に慣れていないブラームスが、ヨアヒムから具体的な助言を求めていたことがわかる。ヨアヒムは、1879年の元旦、作曲者自身の指揮とヨアヒムの独奏、そしてゲヴァントハウス管弦楽団とともに初演は行われた。
第1楽章 アレグロ・ノン・トロッポ ニ長調 4分の3拍子。ソナタ形式に則って書かれており、伝統的なオーケストラの前奏に続いて、ヴィオラとチェロ、ファゴットは第1主題を曲の冒頭に穏やかに示す。
第2楽章 アダージョ ヘ長調 4分の2拍子。最初に、管楽器が柔らかく歌い上げて、そこからオーボエは、牧歌的な旋律をくっきりと浮かび上がらせる。その旋律をヴァイオリンが引き継いで鮮やかに彩る。3部形式で書かれており、中間部はヴァイオリニストの腕の試される場面である。また特に主部では、転調が巧に用いられており、豊かなハーモニーを生み出している。
第3章 アレグロ・ジョコーソ・マ・ノン・トロッポ・ヴィヴァーチェ ニ長調 4分の2拍子。ヴァイオリン独奏によるジプシー風の主題を持つ。独奏と総奏(トゥッティ)が繰り返された後、独奏ヴァイオリンによる第1副主題による、8度音程で長音階をエネルギッシュに駆け上がってゆく。第2副主題は4分の3拍子へと転じて、優美な優美な雰囲気を漂わせる。コーダの3連符は、主題に由来しており、この楽章に藤一感を与えている。
交響曲第4番 ホ短調 作品98
《印象 感想など》
第1楽章 むせび泣くような出だし。人生の秋を感じさせるブラームスの傑作ですね。少し哀しみが足りないか。ワルターみたいにはいかない。弦楽器を中心とした厚みのあるアンサンブルはとっても良い。ティンパニーが印象的。コーダ追い込み、大変見事な演奏。 第2楽章 ホルン、木管が有名なテーマを奏する。弦のピチカート、めためた泣き濡れるテーマ。 第3楽章 いきなり、弾むようなテーマ。トライアングルが効果的。スケルツオ的アンサンブル。短調の響きで進む。 第4楽章 壮大なパッサカリア。弦楽器のピチカート。全合奏が厚く深く響く。フルート、トロンボーンが活躍。コーダに向かって突っ走り、弾みをつけて、盛り上がる。壮大なフィナーレ。大変な演奏。万雷の拍手、ブラヴォー。
《プログラムノーツ》 道下京子
ブラームスは、4つの交響曲を完成させている。(交響曲)第4番は、ミュールツーシュラークで創作された。この場所は、ウイーンの郊外の山間部に位置する静かな避暑地として知られている。この頃のブラームスは、演奏活動に多忙を極めており、ヨーロッパ中を旅していた。日常の都会の喧噪から逃れるように、新たな創作の地としてミリュツーシュラークを選んだのである。1884年夏に第1楽章と第2楽章を、第3楽章と第4楽章を85年夏に書き上げ、同年中にマイニンゲンでブラームス自らが指揮棒をとって初演した。ブラームスの後期の作品様式が、色濃く示された作品である。
第1楽章 アレグロ・ノン・トロッポ ホ短調 2分の2拍子。第1主題はヴァイオリンが提示する。この主題は、3度づつ下降する動機(シ・ソ・ミ・ド・ラ・#ファ・#レ・シ・・・)で構成されている。これは、ブラームスの後期の様式の特徴であり、彷徨うような不安定感を誘う。第2主題はロ短調で示され、木管楽器がスタッカートで鋭く刻み込む。ソナタ形式で書かれており、長いコーダでは、第1主題を低音部に登場させた後、高音の楽器によって徐々に模倣させて、オーケストラの全奏で力強く終結する。
第2楽章 アンダンテ・モデラート ホ短調 8分の6拍子。序奏では、ホルンと木管楽器によってフリギア旋法による旋律を奏でる。主部でも、第1主題にフリギア旋法が用いられており、これをクラリネットとピチカート奏法のヴァイオリンが受け持つ。その後、3連符による鋭いスタカートが現れる。これは、後に続くチェロによる第2主題を暗示している。この楽章は、展開部を持たないソナタ形式で書かれており、経過句を経て、直ぐに再現部が現れる。
第3楽章 アレグロ・ジョコーソ ハ長調 4分の2拍子。この楽章も、ソナタ形式に則っており、オーケストラによる劇的な前奏の中に、第1主題は示されている。第2主題は、ト長調で大らかに歌いあげられる。2つの対照的な主題が印象的である。
第4楽章 アレグロ・エネルジーコ・エ・パッソナート ホ短調 4分の3拍子。バッハのカンターカから主題を採り、バロック時代に行われていたパッサカリアの手法が採り入れられている。ブラームスの全交響曲中、変奏曲の形式で書かれているのは、第4番のこの楽章だけである。主題は、冒頭の8小節の句であり、フルートとオ-ボエ、そしてトロンボーンが力強く演奏する。その後、この主題は形を変えて30回示される。圧倒的な迫力に満ちたフィナーレである。
アンコール ハンガリアン・ダンス 21番
珍しい曲。快演。
《プロフィール》
指揮:梅田俊明
東京に生まれる。5歳よりピアノを始め、井上直幸、新井精氏等に学ぶ。1984年桐朋学園大楽音楽学部を卒業。1986年同研究科を修了。指揮を小澤征爾、秋山和慶、尾高忠明、コントラバスを小野崎充、ピアノと室内楽を三善晃の各氏に師事する。
1983年、84年には来日中のジャン・フルネ氏に学んだ。また在学中よりNHK交響楽団においてピアノ、チェレスタ奏者として出演し、同楽団の推薦で1986年よりウイーン国立音楽大学指揮科に留学、オトマール・スイトナー氏に師事し、研鑽を積んだ。帰国後、1989年12月より92年4月まで大阪センチュリー交響楽団指揮者を務めた。1990年より仙台フィルハーモニー管弦楽団の指揮者に就任。オーケストラの発展に情熱を注ぎ込み、2006年3月までその任を務めた。・・・・・
2006年には大ブームとなったドラマ「のだめカンタービレ」に指揮者及び演奏で参加し注目を集めた他、レコーディングにも参加。国内だけでなく、1996年1月には南西ドイツ・フィルハーモニーとスロバキア・フィルハーモニーの定期演奏会に出演、いずれも好評を博した。・・・・・桐朋学園大学非常勤講師。
ヴァイオリン:竹澤恭子
3歳よりヴァイオリンを始め、山村品一、小林健次両氏に師事。6歳より才能教育研究会海外派遣団の一員として海外ツアーを行う。桐朋女子音楽科在学中に第51回日本音楽コンクール第1位、併せてレウカディア賞、黒柳賞を受賞。1985年にジュリアード音楽院に留学し、ドロシー・ディレイ、川崎雅夫両氏に師事した。
1986年第2回インディアナポリス国際ヴァイオリン・コンクールで圧倒的な優勝を飾る。以来、“世界のKYOKO TKEZWA”として国際的なスターダムを昇り続けている。・・・・・
1993年第3回出光賞受賞。使用楽器は、日本音楽財団より貸与された1710年製作のアントニオ・ストラデヴァリウス“カンポセリーチェ”(Canposelice)
日本フィルハーモニー交響楽団
日本フィルは“市民とともに歩むオーケストラ”としてあその歴史を刻み、2006年には創立50周年を迎えた。2008年9月よりロシアの名匠アレクサンドル・ラザレフを主席指揮者に迎え、「プロコフィエフ交響曲全曲演奏プロジェクト」等の企画を通じて、より一層の演奏水準の充実を目指し音楽活動に邁進している。
1956年創立。楽団創設の中心となった渡邉暁雄が初代常任指揮者に就任。幅広いレパートリーと斬新な演奏スタイルで、当時の楽団に新風を吹きこんだ。その後イゴール・マルケヴィチ、シャルル・ミュンシュなど世界的指揮者が相次いで客演、1964年にはアメリカ、カナダ公演で大成功を収め、創立から10年足らずの間に飛躍的な発展を遂げた。・・・・・
《レコードやCDのことなど》
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲
レコードやCDは自分の気に入ったものを聴いていればいいわけですが、私はヤッシャ・ハイフェッツ(Vn),フリッツ・ライナー指揮シカゴ交響楽団のLPレコードをよく聴いてきました。今はプレミアムCDが出ています。
ブラームス:交響曲第4番
私は、ブルーノ・ワルター指揮コロンビア交響楽団、カール・シューリヒト指揮バイエルン放送交響楽団、オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団のLPレコードをよく聴いてきました。


最近のコメント