演奏会に行ってきました「2009都民芸術フェスティバル 東京都交響楽団 ワーグナー:歌劇「リエンツィ」序曲、モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番、ベートーヴェン:交響曲第7番」(2009-10)
2009年2月18日(水)7:00pm開演 東京芸術劇場大ホール(JR池袋駅徒歩5分)日本演奏連盟よりオーケストラ券一括購入 私の席A席Q列18番 満席
《プログラム》
指揮:マーティン・ブラビンス ピアノ:仲道郁代 東京都交響楽団 コンサートマスター:山本友重
ワーグナー:歌劇「リエンツィ」序曲
モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番 ハ長調 K.467
ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 作品92
《印象 感想など》
ワーグナー:歌劇「リエンツィ」序曲
コントラバス6人。出だしトランペットから弦へ。ワーグナーらしい分厚い響き。アンサンブルはとても良い。中半以降、有名なテーマ。テンポを上げて突き進む。チューバ、効果的に吹く。弦の中低音が有名なテーマをとてもよく弾く。管が総奏してコーダを突き進み、大いに盛り上がる。
モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番 ハ長調 K.467
Ⅰ アレグロ Ⅱ アンダンテ Ⅲ アレグロ ヴィヴァーチェ アッサイ
第1楽章 コントラバス2人。ピアノ:スタインウエイ。仲道、薄紫のシックなドレス。軽やかな伴奏の出だし。ピアノ、カッチリとした音、タッチ。転がすような音で進む。モーツァルトの音楽、溜息の出るような素敵な調べ。ピアノ、キラキラとした音色。カデンツアは見事な演奏。ハ長調らしい明るい曲想。
第2楽章 映画に使われた有名なテーマでやるせないメロディが奏でられる。第3楽章 テンポ速めの出だし。ピアノは玉を転がすように走る。心地よい音楽が流れる。軽やかなモーツァルトの音楽を堪能する。ブラヴォー。
・・・・・休 憩・・・・・
ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 作品92
Ⅰ ポコ ソステヌート-ヴィヴァーチェ Ⅱ アレグレット Ⅲ プレスト Ⅳ アレグロ コン ブリオ
第1楽章 オーボエで入る。第一テーマ、快調なリズム。リズムの乱舞。 第2楽章 チェロ、コントラバス、少し重くテーマを奏す。第2ヴァイオリン、ヴィオラが続き、第1ヴァイオリンが入る。そして全合奏へ。ティンパニー、フルートが奇麗に響く。
第3楽章 リズミックな入り。ティンパニーが印象的に響く。生き生きとした素敵な合奏になる。 第4楽章 直ぐに4楽章に入る。とてもリズミックな音楽で、快調に突っ走る。そしてコーダへ疾走。大変な盛り上がりを見せる。快演、凄演。ブラヴォー。
アンコール モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲
これも凄い演奏。心地の良い演奏会でした。
《プログラムノーツ》 寺西基之
歌劇「リエンツィ」序曲
19世紀ドイツの大作曲科リヒャルト・ワーグナー(1813~83)といえば、音楽、文学、演劇などを一体化した総合芸術としての楽劇を確立し、オペラ史に大きな革命をもたらした革新的な人物として知られている。
しかしその彼も初期には伝統的なオペラの様式から出発している。1838~40年に書かれた「リエンツィ」(台本は作曲者自身)はそうした初期のオペラの代表作で、いまだ当時のフランスの華麗なグランド・オペラのスタイルによっており、のちの楽劇の特徴はまだ現れていない。もともとパリでの上演を望んで書かれたことも、この作品を一層フランス的なスタイルにさせたものと思われる。しかしながら結局初演はパリではなく、1842年にドレスデンの宮廷歌劇場において行われている。そしてその成功によってワーグナーはここの楽長に就任し、彼のドレスデン時代が始まることになる。
物語の舞台は14世紀のローマ。リエンツィはローマ教皇の公証人だったが、民衆の支持があって護民官となる。しかし貴族の陰謀と民衆の裏切りにあって、彼は死に追いやられることになる。今日ではオペラ全曲が上演される機会はきわめて少ないが、序曲だけはよく演奏されている。理想主義者リエンツィと民衆の解放を描いたこのオペラにふさわしく、実に壮大な序曲で、オペラ中の主題を用いてシンフォニックに展開する。
モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番 ハ長調 K.467
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756~91)は1781年、故郷ザルツブルクを離れてウイーンに移住し、ここで自立したフリーの音楽家としての新しい人生をスタートさせた。彼はピアノ(クラヴィーア)の奏者、およびピアノ教師としての活動によって、ほどなく新天地での生活を軌道に乗せる。とりわけウイーンでの彼の大きな収入源となったのは、貴族や富裕な市民を対象に予約者を募って開いた演奏会であった、。
この演奏会でモーツァルトが弾く自作のピアノ協奏曲は、当時ウイーンの大きな話題となり、彼を音楽界の花形にすることとなった。こうしてウイーン時代のモーツァルトは、この予約演奏会のために、多数のピアノ協奏曲を生み出していくことになるのである。
本日のハ長調K.467は、1785年3月10日の予約演奏会のために書かれたもので、その前日に完成された。この1ヶ月前の2月11日の予約演奏会のためにもモーツァルトはニ短調のK.466(第20番)を書いていたが、、それがきわめて悲劇的な作風を示したものであったのに対し、このハ長調の曲は祝典的な明るさに満ちている。こうした対照的な作品を時期を接して創作するという点に、当時まだ新しいジャンルであったピアノ協奏曲の可能性を様々に追求しようとする彼の姿勢がが窺われるといえるだろう。とりわけそのシンフォニックともいえる堂々たる響きは、従来の協奏曲の概念を一歩超えた広がりを示している。
第1楽章 (アレグロ、ハ長調)は、行進曲風の第1主題と、平明な第2主題を持つ協奏的ソナタ形式楽章。技巧的な独奏ピアノと管弦楽との緻密な絡み合い、入念な展開法など、交響曲のようなスケールの広がりを示す。
第2楽楽章(アンダンテ、ヘ長調)は優美な美しい歌に満ちた緩徐楽章。その主題は映画にも用いられて有名となった。
第3楽章(アレグロ・ヴィヴァーチェ・アッサイ、ハ長調)は、ロンド・ソナタ風の形式による快活華麗なフィナーレである。
ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 作品92
18世紀古典派の様式から出発しながらも、時代にふさわしい新しい様式を常に求め続けていった革新家ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770~1827)は、交響曲のジャンルにおいても1曲ごとに新たなスタイルや方法を試みている。
中期から後期への過渡期に当たる1811~12年に書かれた交響曲第7番の特徴は、曲の主たる構成原理として同一リズムの反復という手法を用い、反復リズムが生み出す躍動感や生命観を存分に生かしているといる点にあるといえるだろう。実際この交響曲(とりわけ第4楽章)の持つリズムの力同感は、19世紀初頭のロックンロールとでもいえるような、聞くものを酔わせるものがある。大ヒットした「のだめカンタービレ」用いられたことでさらにポピュラーなものとなったことはご承知のとおりだが、もともとそのように万人に受け入れられるような舞踏的な要素を持った作品なのである。しかもそれでいながら、交響曲のジャンルにふさわしい緻密な構成感と深い精神性を湛えているところがベートーヴェンらしい。のちにワーグナーがこの作品について述べた“舞踏の神格化”という評は、そうした点をうまく言い当てたものであるといってよい。
一方、この時期のベートーヴェンはカンタービレ(すなわち歌うような性格)を重視する傾向を示すようになっていたが、この交響曲にもそうした特徴が現れており、主題の旋律はカンタービレに満ちた性格を持つものとなっている。このようにリズム的要素とカンタービレ主題を結びつけた点に、第7交響曲のユニークさがあるといえるだろう。それは、主題や動機の徹底的な展開によって築き上げられた中期の交響曲第5番や第6番ととは、異なる方向を示している。第6交響曲のあと第7番が完成されるまでには4年ほどのブランクがあるが、このブランクは、ナポレオン戦争の影響による創作の滞りやベートーヴェン個人の私的事情のほかに、彼がこの時期に新しい交響曲のあり方についての模索を行っていたからとも考えらだろう。公開の初演は、1813年12月8日ウイーンで作曲者自身の指揮で行われ、大成功を収めた。
第1楽章は充実した序奏(ポーコ・ソステヌート、イ長調)の後、木管の付点リズムに導かれてソナタ形式の主部(ヴィヴァーチェ、イ長調)へ入る。その付点リズムがこの楽章の統一リズムとなっており、躍動感に満ちた展開が織りなされていく。
第2楽章(アレグレット、イ長調)タータタ・タータという行進曲風のリズム型に楽章全体が支配されるが、そうした一貫したリズムによりながらも、長調のエピソードの挿入、後半のフガートの導入など、実に多様な表情の変化が示されていく。
第3楽章では、躍動的な主題によるスケルツォ(プレスト、ヘ長調)と粘ったリズムを特徴とするトリオ(アッサイ・メーノ・プレスト、ニ長調)が交互に現れる。
第4楽章(アレグロ・コン・ブリオ、イ長調)は力動感あふれるリズムによって躍進するソナタ形式のフィナーレ。そのエネルギーはコーダでさらなる高揚を作りだし、圧倒的な興奮に満ちたクライマックスを築く。
《プロフィール》
指揮:マーティン・ブラビンス
ブラビンスは2009年9月よりロイヤル・フランダース・フィルの主席客演指揮者に就任する。2005年~2007年、チェルトナム国際フェスティバルの芸術監督を、1994年~2005年、BBCスコティッシュ響の副主席指揮者を務めた。ロンドンで作曲を学び、レニングラードでイリヤ・ムーシンに指揮を師事した後、1988年、リーズ指揮者コンクールで優勝。・・・・・
2008年春、フランクフルトで《トスカ》を指揮。ピツェッテイの《大聖堂の殺人》(新作)で2011年に再訪する。2009年春、《ヴェニスに死す》の新制作でリヨン歌劇場にデビュー。2010年にハンブルクを再訪して、同オペラを指揮する。・・・・・
ブラビンスはエルガー、ブリテン、ウォルトンのレパートリーで知られ、19世紀ロマン派、ロシアやフランスのレパートリーにも親近感をもっている。また彼は欧州で、現代音楽の卓越した演奏者として知られている。・・・・・
ピアノ:仲道郁代
桐朋学園大楽1年在学中に、第51回日本音楽コンクール第1位、あわせて増沢章を受賞し注目を集めた仲道郁代は、数々の国内外での受賞を経て、1987年ヨーロッパと日本で本格的な演奏活動をスタートさせた。
これまでに日本の主要オーケストラと共演した他、海外のオーケストラとの共演も数多く、マゼール指揮ピッツバーグ交響楽団、バイエルン放送交響楽団及びフィルハーモニア管弦楽団などのソリストとし迎えられ、その音楽性に高い評価を得ている。・・・・・
レコーディングはBMG JAPAN専属契約を結び、多数のCDをリリース。ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第30,31、32番は、2007年度第45回レコード・アカデミー賞(器楽部門)を受賞。・・・・・
2003年からは、地域社会の活性化と音楽文化の発展を目指し、大阪音楽大学特認教授、財団法人地域創造理事としても積極的に活動している。
《レコード CDのことんなど》
モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番
レコード、CDは自分の気に入ったものを聴いていればいいわけですが、モーツァルトの21番の協奏曲は、ピアノ:ディヌ・リパッティ、カラヤン指揮ルツェルン音楽祭管弦楽団(1950年録音)のLPレコード、ピアノ:エリック・ハイドシェック、A・ヴァンデルノート指揮パリ音楽院管弦楽団のLPレコード、ピアノ:フリードリッヒ・グルダ、クラウディオ・アバド指揮ウイーンフィルハーモニー管弦楽団のLPレコードをよく聴いてきました。
ベートーヴェン:交響曲第7番
ピエール・モントウー指揮ロンドン交響楽団のLPレコード、カルロス・クライバー指揮ウイーンフィルハーモニー管弦楽団のLPレコード、C・クライバー指揮バイエルン国立オーケストラのライブCDを聴いてきました。
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