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2009年6月 5日 (金)

演奏会に行ってきました「2009都民芸術フェスティバル助成公演 東京シティ・フィルハーモニック シベリウス:交響詩「フィンランディア」、ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲、ショスタコーヴィチ:交響曲第5番」(2009-3)

2009年1月31日(日)6:00pm開演 東京芸術劇場大ホール 2009都民芸術フェスティバル助成公演 オーケストラシリーズ№40 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 JR池袋駅徒歩5分

《プログラム》

指揮:飯森泰次郎  ピアノ:菊地裕介  東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団  コンサートマスター:戸澤哲夫

シベリウス:交響詩「フィンランディア」 作品26

ラフマニノフ:パガニーニの主題による変奏曲 作品43

ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 作品47

《印象 感想など》

 私の席 1階A席Q列18番 中央ど真ん中 満席。日本演奏連盟よりオーケストラチケットを一括購入。

シベリウス:交響詩「フィンランディア」 作品26

 出だし、ホールを揺るがすような低音の響き。有名なテーマ、快調な演奏。「七つの海を越えて」のテーマ、綺麗に鳴る。次第に盛り上がり、快演、熱演。ブラヴォー。

ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 作品43

 ピアノ:スタインウエイ。例の有名な叙情あふれる弱音のテーマをしっかり弾く。ピアノテクニック、申し分なし。伴奏、重厚になりすぎず、リズミックに付ける。例のアンダンテ・カンタービレの第18変奏、最高の歌。全体に伴奏と一体となった素敵な演奏。最後は、ピアノがちょこっと鳴って、曲を閉じる。

       ・・・・・・休 憩・・・・・

ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ニ短調 作品47

Ⅰ モデラート-アレグロ ノン トロッポ  Ⅱ アレグレット  Ⅲ ラルゴ  Ⅳ アレグロ ノン トロッポ

 Ⅰ ハープ、2台。少し重苦しい、低音弦の出だし。続いて、ヴァイオリンの対照的な明るい響き。ピアノ入る。ピッコロ、シンバル、チューバ、テンポを上げて盛り上がる。フルートが清らかな音を吹く。鉄琴、ハープが奏する。  

Ⅱ コントラバスが中心。低弦がテーマを奏する。第2テーマが勢いよく続く。そしてコンマスのソロヴァイオリン、フルートやハープが続く。弦のピチカートが緊張を込めて続く。チューバや木琴が続く。  

Ⅲ 静かな弦が優しく奏される。ハープが素敵な歌を歌う。フルートが吹かれ、鉄琴が聞こえる。木琴がテーマを打つ。弦がトレモロで重なる。重厚な響き。ハープが静かに続く。

Ⅳ 全奏。ティンパニー連打。テンポ速めて有名なテーマへ。チューバ、太鼓、一度落ち着いて少しずつ弦が美しいテーマを奏する。ティンパニー鳴り、1楽章のテーマが出てくる。弦が盛り上がり、全奏。大太鼓がドンドン鳴る。弦がコーダへ。シンバル鳴り、金管、弦楽合奏等で大いに盛り上がる。大太鼓でエンド。快演、熱演、凄演。ブラヴォーの嵐。飯森巨匠の風格。東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、力ある。

アンコール シベリウス:アンダンテ・フェスティバル

 弦楽中心の素敵な曲。素敵な演奏。

《プログラムノーツ》  道下京子

シベリウス:交響詩《フィンランディア》

 ロシアは、自国の支配下にあったフィンランドでの民族運動の高まりに対して、フィンランドの新聞に対して、圧力を加えていた。シベリウスは1899年(34歳)、この圧力に反対し、交響詩《フィンランディア》(作品26)を作曲した。この作品こそ、フィンランドの国民運動の象徴的な意味を担うことになり、とりわけこの意識は、彼の作風や自身の創作の方向性を決定的なものにしたと言っても過言ではない。

 《フィンランディア》を通して、フィンランドの国民は、民族の誇りと自信、自国の文化と伝統の尊さを改めて強く自覚し、当時のロシアの支配下にあったフィンランドの独立への悲願を実感したのである。フィンランド賛歌とも言うべきこの作品において、シベリウスは対象を限定せず、フィンランドの自然の全てを象徴的に表現する手法を取り入れた。この音楽の主題は、果てしなく続く森林と悠久とした大地である。作品は1900年7月2日、パリ万国博覧会でロベルト・カヤヌス指揮、ヘルシンキ管弦楽団の演奏で初演された。

 作品はアンダンテ・ソステヌート、2分の2拍子、重々しい序奏で始まる。序奏部分はフィンランドの白夜の夜を連想させる。この部分は、ロシアの支配下にあった当時のフィンランドの気持ちを代弁しているように聞こえる。主部にはいるとテンポと拍子を変えて(アレグロ・モデラート、4分の4拍子)、音楽は力強く大きく高まっていく。低音の長い保持音の表現は、シベリウスの音楽の特徴であり、この音楽でも効果的に用いられている。音楽は高揚するにつれて、金管楽器群やシンバルも加わり、フィンランドの栄光と自負を表すかのように、勝利の凱歌で全体を締めくくる。

ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 作品43

 セルゲイ・ラフマニノフ(1873~1943)は、サンクトペテルブルクの南西部に位置するオネーグに生まれた。祖父アルカージは軍人であったが、音楽愛好家としても知られ、自らピアノを弾き、作曲家ジョン・フィールド(ピアノにおける「夜想曲(ノクターン)」のスタイルを確立したことで知られている。)にレッスンを受けていた。アルカージーの娘、すなわちセルゲイのおばは、当時の名ピアニスト、アレクサンドル・ジロティと結婚した。また、セルゲイにピアノを手ほどきしたのは、彼の母親であり、プロではなかったものの音楽的な素養を備えていた。このように、ピアノに囲まれた環境に育ったラフマニノフが、ピアニストになったことは、自然な流れであろう。

 その一方で、作曲に対しても関心を持ち、音楽院では作曲や和声法、対位法も習得し、卒業後は指揮者としても活躍した。自らがピアニストであったことを物語るように、ラフマニノフは巧みなピアニスティックとロシア・リリシズムを見事に融合させたピアノ作品を数多く作曲している。

 《パガニーニの主題による狂詩曲》は、1934年の夏、スイスのルチェルンで書かれた。変奏曲形式に則って作曲されており、ヴァイオリンの鬼才パガニーニ(1782~1840)の「24のカプリス」の第24番を主題に持つバリエーションで、24の変奏曲からなる。この作品における変奏の手法は、主題の和声に基づいた分割変奏ではなく、それぞれの変奏に独自性を与えた性格変奏による。また、通常は主題は冒頭に置かれるが、この作品では、第1変奏と第2変奏の間に主題が置かれる。作品は、4つのグループから構成されている。まず、第1から第6変奏までと、「怒りの日」の主題が登場する第7から第15変奏まで、変ロ短調に転調する第16から第18変奏、そして主調のイ短調に戻る第19から第24変奏と分けることができる。作品中に「怒りに日」が引用されていることも特筆すべきであり、第24変奏において、再び「怒りに日」が華麗なオーケストレーションによって提示されて、パガニーニの主題と統合される。このパガニーニの主題は、リストやブラームスにインスピレーションを与え、ルトスワフスキーも変奏曲を書いている。超絶技巧的な要素とダイナミックな甘美さが、自然な形で融合しており、ラフマニノフのピアノ作品における最後の頂点をなす作品である。

序奏/プレセゼンテ イ短調 4分の2拍子  主題/リステッソ・テンポ イ短調 4分の2拍子  第2変奏/リステッソ・テンポ イ短調 4分の2拍子  第3変奏/リステッソ・テンポ イ短調 4分の2拍子  第4変奏/ピゥ・ヴーヴォ イ短調 4分の2拍子  第5変奏/テンポ・プレセデンテ イ短調 4分の2拍子  第6変奏/リステッソ・テンポ イ短調  第7変奏/メノ・モッソ、ア・テンポ・モデラート イ短調 4分の2拍子  第8変奏/テンポ・プリモ イ短調 4分の2拍子  第9変奏/リステッソ・テンポ イ短調 4分の2拍子  第10変奏/ポコ・マルカート イ短調 4分の4拍子  第11変奏/モデラート イ短調 4分の3拍子  第12変奏/テンポ・ディ・メヌエット ニ短調 4分の3拍子  第13変奏/アレグロ ニ短調 4分の3拍子  第14変奏/リステック・テンポ ヘ長調 4分の3拍子  第15変奏/ピゥ・ヴィーヴォ、スケルツアンド ヘ長調 4分の3拍子  第16変奏/アレグレット 変ロ長調 4分の2拍子  第17変奏/(アレグレット)変ロ長調 4分の4拍子(8分の12拍子)  第18変奏/アンダンテ・カンタービレ 変ニ長調 4分の3拍子  第19変奏/ソリテッソ・テンポ(ア・テンポ・ヴィヴァーチェ) イ短調 4分の4拍子  第20変奏/ウン・ポコ・ピゥ・ヴィーヴォ イ短調 2分の4拍子  第21変奏/ウン・ポコ・ピゥ・ヴィーヴォ イ短調 4分の4拍子  第22変奏/ウン・ポコ・ピゥ・ヴィーヴォ(アッラ・プレーヴ)  第23変奏/リステッソ・テンポ イ短調 4分の2拍子  第24変奏/ア・テンポ・ウン・ポコ・メノ・モッソ イ短調 4分の4拍子

ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 作品47

 ドミートリィ・ショスタコーヴィチ(1906~75)は、20世紀最大のロシアの作曲家である。彼の時代の芸術家の多くは、自由な音楽の表現を求めて西欧やアメリカへ渡っていた。その中にあって、ショスタコーヴィチは、旧ソ連に留まった。彼もまた、政府から幾度となく自らの音楽を批判されていたものの、そのたびに作風を変え、表面的に旧ソ連邦の社会主義リアリズムに忠誠を誓うような姿を見せつつ、自己の両親を貫き通した。それは、彼の晩年の作品が如実に物語っている。

 《交響曲》第5番も、そのような作品の一つとして数えられる。事実、この作品で、ショスタコーヴィチは名誉回復を果たしたのである。作風は、ベートーヴェンを連想させるような堅固で古典的に仕上げられている。作品は、1937年に作曲され、同年11月21日、ムラヴィンスキー指揮、レニングラード・フィルハーモニー交響楽団で行われ、絶賛を博した。

第1楽章/モデラート ニ短調 4分の4拍子~アレグロ・ノン・トロッポ。

チェロとコントラバスによって、音楽と落差の大きな動機(第1動機)を含む主要主題が、劇的に提示され、すぐにヴァイオリンがカノン上で旋回しながら下行する動機(第2動機)を紡ぎ出し、続いて第1ヴァイオリンがa音(ら)を連打する。この連打を形成するリズム(第3動機)、そして第1動機と第2動機は、この楽章を通して、綿密に構築され、有機的に展開していく。この直後(第6小節)に、第1ヴァイオリンが副次主題をゆったりと歌わす。第1主題はソナタ形式に則って書かれている。

第2楽章/アレグレット イ長調 4分の3拍子。

 主部において、チェロとコントラバスが、旋律的な第1主題を引きずるように奏でる。ヴァイオリンが分散和音を大きく描いた後、躍動的な第2主題が表れ、ホルンによる勇ましい第3主題がこれに続く。中間部では、独奏ヴァイオリンが、イ短調のユーモラスな旋律を歌い上げる。スケルツォ楽章であり、舞曲風のリズムが印象的である。

第3楽章/ラルゴ 嬰へ短調 4分の4拍子。

 耽美的な美しさの漂う緩徐楽章。弦楽器群の編成は、ヴァイオリンは3パート、ヴィオラとチェロは2パート、コントラバスは1パートとなっている。基本的には3部形式。最初に、第3ヴァイオリンが、優美な旋律を歌う。ここは、それぞれの弦楽器のパートにおいて、そのリズムや音型が相まって象徴的な響きを形成している。やがて、ハープの調べに導かれて、フルートが第1楽章の副次主題を変容させて2つの綾で紡ぎ込んでゆく。ホルン以外の金管楽器が使用されないのも、この楽章の特徴である。

第4楽章/アレグロ・ノン・トロッポ ニ長調~ニ長調 4分の4拍子。

 管打楽器の強奏でフィナーレは始まる。その後、ホルンを除く金管楽器は、主題を勇壮に響かせる。フィナーレでは、この主題を軸に展開してゆく。また、他の楽章の動機の使用も見られ、例えば、執拗な同音連打のリズムは、第1楽章の主要主題の第3動機に関連しており、ドラマティックなフィナーレの形成に貢献している。やがて、ニ長調に転じ、勝利の凱旋の行進曲は高らかな全奏で終結する。

《プロフィール》

指揮:飯森泰次郎

 「飯森泰次郎こそドイツ語でKapellmeisuter(名指揮者)と呼ぶにふさわしく、そこにはマエストロと言う言葉以上に大きな尊敬の念が込められている。」(バイロイト・ワーグナーフェステヴァル総監督ヴォルフガング・ワーグナー)

 1962年、桐朋学園短期大学音楽科(指揮科)を卒業、在学中の1961年の藤原歌劇団公演「修道女アンジェリカ」にてデビューを飾る。1966年ミトロプーロス国際指揮者コンクール、1969年には、カラヤン国際指揮者コンクールでともに第4位入賞を果たす。

 1972年には、芸術選奨新人賞(日本)とバルセロナのシーズン最高指揮者賞(スペイン)を受賞している。

 国内では1972年から76年まで読売日本交響楽団指揮者、国外では1970年からバイロイト音楽祭の音楽助手として数々の歴史的公演に加わると同時に、ブレーメン、マンハイム、ハンブルク、レーゲンスブルクの各歌劇場に指揮者として籍を置いた。

 エンスへデ市立歌劇場第一指揮者を経て、1979年から1995年までエンスへデ市立音楽院オーケストラ指揮者(現在オーケストラ顧問)。・・・・・

 1997年9月から、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団常任指揮者に就任。・・・・2001年1月より、関西フィルハーモニー管弦楽団常任指揮者を兼任・・・・第32回(2000年度)サントリー音楽賞、第54回(2003年度)芸術選奨文部科学大臣賞受賞。さらに、2004年11月紫綬褒章、2008年第43回大阪市市民表彰を受賞。

ピアノ:菊地裕介

 高校2年の1994年、第63回日本音楽コンクールに出場者中最年少で第2位。

 桐朋女子音楽学校(共学)卒業と同時に渡仏し、パリ国立高等音楽院ピアノ科に入学。1999年一等賞で卒業。2001年研究科修了。同校ではほかに歌曲伴奏、20世紀音楽、フーガとソナタ形式を学び、いずれも一等賞で高等ディプロマを取得。・・・・・

 これまでに加藤伸佳、ジャック・ルヴィエ、アリエ・ヴァルディの各氏に師事。この間、第16回マリア・カナルス(2000・スペイン)で第1位、第20回ポルト(2003・ポルトガル)で第1位など、数多くの国際コンクールに上位入賞。・・・・現在、東京藝術大学、東京音楽大学、桐朋学園大学でピアノのみならず室内楽や音楽理論など、幅広いジャンルで行進の指導にも当たっている。

東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

 1975年、自主運営のオーケストラとして指揮者・堤俊作中心に若く才能ある演奏家達によって設立。・・・・1994年からは東京都江東区と芸術提携を結び、ティアラこうとうを主な拠点として各種コンサートや公開リハーサルを、ファンと楽員との交流会、楽器の公開レッスン、音楽セミナーなど、地域に根ざした音楽文化の振興を目的に幅広い活動を行っている。・・・・・

 また2002年4月、フランス音楽に造詣の深い矢崎彦太郎が主席客演指揮者に就任。矢崎の最も得意とするフランス音楽の世界を幅広く系統立てて網羅した、「フランス音楽の彩と臀」と題する画期的なシリーズを展開している。

《レコード CDのことなど》

シベリウス:交響詩「フィンランディア」

 レコード、CDは自分の気に入ったものを聴いていればいいわけですが、フィンランディアはバルビローリ指揮ハレ管弦楽団のLPレコード、CDではクルト・ザンデルリンク指揮Berliner Sindonie-Orchester(輸入盤)をよく聴いてきました。

ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲は、ウラジミール・アシュケナージ(ピアノ)、指揮:アンドレ・プレヴィン、ロンドン交響楽団のLPレコードを聴いてきました。

ショスタコーヴィチ:交響曲第5番は、バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルのLPレコード(1979年の東京文化会館のライブ)、CDではルドルフ・バルシャイ指揮WDR Sinfonie orchester(輸入盤)を聴いてきました。

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