演奏会に行ってきました「サンシティ・ニューイヤーコンサート 指揮:小林研一郎 東京フィルハーモニー交響楽団 J.シュトラウスⅡ:「こうもり」序曲、シューベルト:アヴェマリア、ドニゼッティー、マスカーニ、プッティニ、レハール、歌劇アリア、ベートーヴェン7番ほか」(2009-1)
2009年1月10日(土)越谷サンシティ(大)ホール 自宅より徒歩17分。JR南越谷駅・東武伊勢崎線新越谷駅より徒歩5分。
前回で2008年の演奏会・演劇の報告は終了です。今回からは2009年の演奏会等の報告です。今後もご愛読よろしくお願いします。
今回は、我が地元の越谷市での演奏会です。
2009サンシティ・ニューイヤーコンサート 東京フィルハーモニー交響楽団
炎のマエストロ“コバケン"率いる東京フィルハーモニー交響楽団と、華麗なるソリストでお贈りするニューイヤーコンサート!
《プログラム》
J.シュトラウスⅡ:喜歌劇「こうもり」序曲、雷鳴と電光、
シューベルト:アヴェマリア(ソプラノ:木下美穂子)、ドニゼッティ:歌劇「愛の妙薬」より“人知れぬ涙”(テノール:佐野成宏)、マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲、プッチーニ:歌劇「ジャンニ・スキッキ」より“私のお父さん”(ソプラノ:木下美穂子)、レハール:喜歌劇「微笑みの国」より“君はわが心のすべて”(テノール:佐野成宏)、フェラーリ:歌劇「マドンナの宝石」より間奏曲、プッチーニ:歌劇「トスカ」より“歌に生き、愛に生き”(ソプラノ:木下美穂子)、“星は光ぬ"(テノール:佐野成宏)、ヴェルディ:歌劇「椿姫」より“乾杯の歌"(ソプラノ:木下美穂子、テノール:佐野成宏)
・・・・・・休 憩・・・・・・
ベートーヴェン:交響曲第7番
アンコール J.シュトラウスⅠ(父):ラデツキー行進曲
指揮:小林研一郎 テノール:佐野成宏 ソプラノ:木下美穂子
《印象 感想など》
私の席 A席 1階12列45番。満席。ホール内壁はコンクリート風(と見える)作り。少し音が堅い。コンサートマスターは三浦さん(とコバケンが呼びかけていました。コンマスの記載は、プログラムには無し。)
コバケンは、時々曲などについて説明しながら指揮。ウインナーワルツ、オペラの有名なアリア、ベートーヴェンの7番のプログラム。ワルツはテンポは普通で、気持ちよい三拍子を刻む。コントラバスは、6人。曲により4人の時もあり。
J.シュトラウスⅡ:喜歌劇「こうもり」序曲
雷鳴と電光
幕開けにふさわしい楽しい曲。軽快で快調な演奏。
シューベルト:アヴェマリア(ソプラノ:木下美穂子)
落ち着いた素敵な声の歌唱。
ドニゼッティ:歌劇「愛の妙薬」より“人知れぬ涙"(テノール:佐野成宏)
伴奏ではハープや弦のピチカートが入る。高音が伸びて、素敵な歌唱。
マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲
しっとりとしたメロディの綺麗な曲。
プッチーニ:歌劇「ジャンニ・スキッキ」うおり“私のお父さん"(ソプラノ:木下美穂子)
冒頭でコンマスのソロヴァイオリンが素敵な曲を奏でる。曲も歌唱も素晴らしい。良く通り響くソプラノ。
レハール:喜歌劇「微笑みの国」より“君はわが心のすべて"(テノール:佐野成宏)
喜歌劇「メリー・ウイドウ」より“唇は語らずとも"
張りのある本当に素晴らしい声、歌唱。二重唱は、なじんだ有名な曲。
フェラーリ:歌劇「マドンナの宝石」より間奏曲
誰でも知っている名曲。ハープ、フルートの出だし。綺麗で泣かせるメロディ。
プッチーニ:歌劇「トスカ」より“歌に生き、愛に生き"(ソプラノ:木下美穂子)
出だし、悲しみと憂いを込めた曲。中番から盛り上がり迫力のある歌唱。生の凄さを満喫。
プッチーニ:歌劇「トスカ」より“星は光りぬ"(テノール:佐野成宏)
クラリネットの有名な出だし。次第に盛り上がり、圧倒的な歌唱へ。ブラヴォー。
ヴェルディ:歌劇「椿姫」より“乾杯の歌"(ソプラノ:木下美穂子、テノール:佐野成宏)
いつ聴いても素晴らしい曲。やはりコーラスが欲しいかな?でも凄い歌唱。ブラヴォー。
・・・・・・休 憩・・・・・・
ベートーヴェン:交響曲第7番
第1楽章 躍動的な音楽。リズミックな曲、演奏。テンポは慌てず、快調。 第2楽章 少し引きずるような有名なテーマ。よく流れる。ホルン、ティンパニー活躍。 第3楽章 リズミカルなスケルツォ。 第4楽章 リズミカルな楽章。渦を巻くように突き進む。そしてコーダへ転がり込む。超快演。ブラヴォー。コバケン、団員一人一人に握手。コバケンはいつの演奏会でも、団員を立てるのが上手い。いい雰囲気で曲を仕上げてくるのが分かる。
アンコール J.シュトラウスⅠ:ラデツキー行進曲
コバケン、聴衆が拍手しテンポをとるところを合図。オケ、指揮者、聴衆が一体となったとても楽しい演奏会。
《プログラムノーツ》 柴田克彦(音楽ライター)
オペラやオペレッタの名曲を中心とした愉しいステージ、まずは活気漲る序曲と元気一杯のポルカから。ウイーンの“ワルツ王"J.シュトラウス2世(1825~1899)は、40代半ば頃からオペレッタ(喜歌劇)に主軸を移し、第3作『こうもり」(1874年初演)で大成功を収めました。友人にはめられて「こうもり」のあだ名が付いたファルケ博士の愉快な復讐劇に恋愛が絡んだ物語。序曲は、本編の旋律を連ねたメドレー風の構成をとり、陽気さの中にメランコリックな情趣が寄り添います。 『雷鳴と電光』は、1868年作の快速ポルカ。題名の通りの音が盛り込まれたこの楽しい作品は、『こうもり』の劇中でもしばしば演奏されています。
かわって清澄なソプラノの歌を。“歌曲王"シューベルト(1797~1828)のアヴェマリアは、聖母マリアに祈りを捧げる、数多い同種作の中でも有名な1曲ですが、正式な題名は『エレンの歌第3』。他とは違って英国の詩人スコットの詩が用いられ、聖母像を前にした乙女が加護を願う、やや長めの歌詞が歌われます。
おつぎはイタリア・オペラの音楽を3曲。同地ロマン派オペラの牽引者ドニゼッティ(1797~18348)の『愛の妙薬』(1832年初演)は、のどかな農村の恋の喜劇。純朴な若者ネモリーノは地主の娘アディーナに恋するも相手にされず。しかし後半、娘がいんちきな惚れ薬買う金欲しさのあまり兵隊に志願したことを知ったアディーナは、目に涙を浮かべます。それを物陰から見たネモリーノは、「彼女は僕を愛している!」と確信する内容の叙情的アリア『人知れぬ涙』を歌います。『カヴァレリア・ルシティカーナ』(1890年初演)は、ヴェリズモ・オペラ(現実は歌劇)の開拓者マスカーニ(1863~1945)の出世作。4人の男女の恋にまつわる1幕ものの悲劇です。『間奏曲』は、愛憎渦巻く舞台を鎮めながら場面転換を図るオーケストラ音楽。清らかな弦楽器の調べが感動を誘います。ロマン派後期の大家プッチーニ(1858~1924)の『ジャンニ・スキッキ』(1918年初演)は、スキッキが金持ちの遺産をまんまとせしめる喜劇的オペラ。テレビや映画でも頻繁に『私のお父さん』は、スキッキの娘ラウレッタが「恋人を助けてくれないと身投げするわ」と父に哀願する、劇中の清涼剤的アリアです。
ここで、ウインナー・オペレッタにおけるシュトラウス2世の後継者レハール(1870~1948)のヒット作トップ2が登場します。『微笑みの国』(1929年初演)は、中国(微笑みの国!?)の皇子スー・チョンとウイーンの伯爵令嬢リーザの悲恋物語。『君はわが心のすべて』は、他の娘としきたり上の結婚をするスー・チョンが、「我が愛するのはリーザだけ」と思いを昂ぶらせて歌う、本作の看板曲です。『メリー・ウイドゥ』(1905年初演)は、『こうもり』と並ぶオペレッタ史上の2大傑作。未亡人アンナと昔の恋人ダニロが、意地を張り合いながらも結ばれる定番ストーリーが、甘美な名曲で彩られます。『唇は語らずとも』は、2人が愛を伝え合う場面の二重唱。「メリー・ウイドウのワルツ」の名で知られた旋律に乗ってしみじみと熱く歌われます。
再びオーケストラ演奏を。ヴォルフ=フェラーリ(1876~1948)は、喜劇で成功したイタリアの作曲家ですが、『マドンナの宝石』(1911年初演)は、愛する女のために聖母像の宝石の首飾りを盗んだ男が、罪の発覚により自殺する凄惨な悲劇。今では滅多に上演されませんが、この『間奏曲』だけは、哀切な音楽によって古くから愛されています。
プッチーニの名作『トスカ』(1900年初演)は、恐怖政治さなかのローマを舞台に、歌姫トスカと自由主義者の画家カヴァラドッシがたどる悲劇の物語。ここでは2人の代表アリアが歌われます。『歌に生き、愛に生き』は、カヴァラドッシ救命の代償に、悪徳警視総監スカルピアから我が身を要求されたトスカが「私は、歌に、愛に生きてきただけです。主よ、なぜこのような報いを・・・・」と絶望感を歌い、人気アリア『星は光ぬ』は、処刑を前にしたカヴァラドッシが、トスカへの万感の思いを歌い上げます。
豪華なステージを締めくくるのは、イタリア・オペラ最大の巨匠ヴェルデイ(1813~1901)の名作『椿姫』(1853年初演)から、ご存知『乾杯の歌』。病に死す高級娼婦ヴィオレッタと田舎青年アルフレードが知り合う第1幕のパーティで、2人がリレーしながら酒と愛を讃える、華やかなナンバーです。
・・・・・休 憩・・・・・
このステージでは、ベートーヴェン(1770~1827)の交響曲第7番を、たっぷりとお聴きいただきます。もともと人気の高い交響曲ですが、ドラマ版「のだめカンタービレ」で使われて以来、より広い支持を得ています。
曲は、ベートーヴェン中期の後半1812年に完成され、翌年ナポレオン軍への戦勝ムード漂うウイーンで初演されました。戦勝交響曲『ウエリントンの勝利』も同時に披露される中、このビートの効いた曲が、サリエリやフンメル等の著名音楽家を含む100人のオーケストラで初演されたのですから、聴衆が興奮しないはずもありません。第2楽章がアンコールされるなど破格の大成功を収め、ベートーヴェンの生前における最大のヒット曲となりました。
9つの交響曲1曲ごとに新機軸を打ち出したベートーヴェンは、ここで「リズム」をクローズアップします。全4楽章が、それぞれ特徴的なリズムで貫かれており、ワーグナーはこれを“舞踏の神化"と讃えました。またアダージョやアンダンテといった純粋な緩徐楽章が置かれていない点も、曲の前進性を高めています。
長めの序奏から、「ターン・タタン」のリズムをベースに盛り上がる第1楽章、「タータタ、ターター」のリズムの中で多彩に変化し、その美しさゆえ“不滅のアレグレット”と称される第2楽章、「タタタ・タタタ」の3連音がはじける第3楽章、冒頭の「タンタカタン」をはじめとする躍動的なリズムが狂喜乱舞をもたらす第4楽章・・・・と続く全曲が終始エキサイティングです。
アンコール J.シュトラウスⅠ:ラデツキー行進曲
コバケンが、聴衆が拍手するところを合図する。我が地元越谷での正月にふさわしい楽しいコンサートでした。
《プロフィール》
指揮:小林研一郎
東京藝術大学作曲科・指揮科を卒業。第1回ブダペスト国際指揮者コンクール第1位、特別賞受賞。世界中の数多くの音楽祭出演の他、欧州ののオーケストラを多数指揮。ハンガリー国立交響楽団音楽監督をはじめ、日本フィルハーモニー音楽監督など国内外のオーケストラのポジションを歴任。ハンガリー政府よりリスト記念勲章、ハンガリー文化勲章、民間人最高位の“星付中十字勲章”が授与されている。・・・・・
2002年にはプラハの春音楽祭オープニングコンサートを東洋人としては始めて振るなど、最も活躍し注目されている指揮者。現在、アーネム・フィルハーモニー常任指揮者(オランダ)、ハンガリー国立フィルおよび名古屋フィルの桂冠指揮者、マタヴ・ハンガリー交響楽団、九州交響楽団の主席客演指揮者、東京藝術大学教授、東京音楽大学客員教授を務める。
テノール:佐野成宏(しげひろ)
東京藝術大学声楽科卒業後、アリゴ・ポイント音楽院(伊)に留学。同年の関西日伊コンコルソ第1位・ミラノ大賞受賞をはじめ、欧米各国の国際コンクールにて上位入賞を果たす。・・・・・
2004年三枝成章作曲『ジュニアバタフライ』(タイトルロール)では、作曲家本人をして「彼なくしてはこの公演の成功は考えられない」と評価、各方面関係者から絶賛された。・・・・・
“光り輝く声”を持つテノールとして、国内外から常に注目されるオペラ歌手である。
ソプラノ:木下美穂子
武蔵野音楽大学卒業、同大学院修了。二期会オペラスタジオ修了。2001年第70回日本音楽コンクール声楽部門第1位・松下賞、第37回日伊声楽コンコルソ第1位、第32回イタリア声楽コンコルソ・シエナ大賞を相次いで受賞、国内三大声楽コンクールの三冠を制覇。2002年第20回サンタ・マルゲリータ市国際声楽コンクール1位、第1回ペヴァーニャ市国際声楽コンクール1位、・・・・ほか受賞歴多数。2008年5月にはアメリカ・メリーランド州ボルチモア・オペラの「蝶々夫人」に出演し、満場総立ちの喝采を浴びた。アメリカ在住、二期会会員。
東京フィルハーモニー交響楽団
1911年創立の日本で最も古い伝統を誇るオーケストラ。2001年4月、日本で初めてシンフォニーオーケストラと劇場オーケストラの両機能を併せ持つ160余名のオーケストラとなると同時に、スペシャル・アーティスティック・アドバイザーにチョン・ミュンフンが就任。定期演奏会を中心とする自主公演、新国立劇場を中心としたオペラ・バレエ公演、NHK他における放送公演など、高水準の演奏活動とさまざまな教育的活動を展開している。・・・・・


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